~基礎から学ぶ、売れる仕組みのつくり方~
目次
マーケティングとは?
マーケティングを一言で表すなら、「ニーズに応えて利益をあげること」です。
「商品を売る」のではなく、「商品が自然と売れていく仕組みをつくること」こそがマーケティングの本質。
よくある誤解は「広告や宣伝=マーケティング」という考え方です。
もちろん広告も大事な要素ですが、マーケティングはそれ以上に広い概念で、商品企画から販売後のフォローまでを含む顧客満足のプロセスです。
マーケティングの基本概念:4P
マーケティングを語るうえで欠かせないのが、エドモンド・マッカーシーが提唱した「4P」です。
項目 | 意味 | 具体例 |
---|---|---|
Product(製品) | 顧客のニーズに合った商品やサービス | iPhone、無添加食品 |
Price(価格) | 顧客が納得して支払う値段 | サブスク課金、学割 |
Place(流通) | 顧客に届けるチャネル | Amazon、店舗販売 |
Promotion(販売促進) | 商品を知ってもらい買ってもらう仕組み | SNS広告、キャンペーン |
私の考えとして、4Pを学ぶ最大のメリットは「商品は作って終わりではない」と気づけることです。
例えば良い商品でも流通経路が悪ければ売れませんし、逆に普通の商品でも価格やプロモーション次第で大きなヒットになります。
マーケット・インとプロダクト・アウト
マーケット・イン
「顧客のニーズを出発点に商品を開発する考え方」。
例えば「健康志向が高まっているから低糖質食品を開発する」といった流れです。
プロダクト・アウト
「作り手が良いと思うものを市場に投入する考え方」。
革新的ですが、ニーズとズレると失敗リスクも高いです。
視点 | マーケット・イン | プロダクト・アウト |
---|---|---|
出発点 | 顧客ニーズ | 技術・作り手の理想 |
メリット | 顧客満足度が高い | イノベーションを生みやすい |
デメリット | 似た商品が乱立 | ニーズとズレるリスク |
現代はマーケット・インが基本路線です。
ただしAppleのように「まだ顧客が気づいていない未来のニーズ」を創造できる企業は、プロダクト・アウト的アプローチも強みになります。
顧客志向と古い志向モデル
マーケティングには、時代ごとに異なる「志向」が存在します。
志向 | 内容 | 時代背景 | 例 |
---|---|---|---|
生産志向 | 安く大量に作れば売れる | 戦後復興期 | 大量生産の白物家電 |
製品志向 | 高品質なら売れる | 技術革新期 | 日本車の高性能化 |
販売志向 | 強引な販売で売上を伸ばす | 高度経済成長期 | 訪問販売 |
マーケティング志向 | 顧客ニーズを出発点に商品開発 | 現代 | Amazon スターバックス |
顧客志向 | 顧客満足を最大化し、企業も利益を得る | 現代以降 | サブスク型サービス |
昔は「作れば売れる時代」でしたが、今は顧客が情報を持ち、選択肢が無数にあるため「顧客志向」でなければ生き残れません。
ラウターボーンの4C
4Pを「顧客目線」に言い換えたのがラウターボーンの4Cです。
4P | 4C | 意味 |
---|---|---|
Product | Customer Solution (顧客ソリューション) | 顧客の課題解決になるか |
Price | Customer Cost (顧客コスト) | 顧客が支払う総コスト (時間・労力も含む) |
Place | Convenience (利便性) | 顧客にとって買いやすいか |
Promotion | Communication (コミュニケーション) | 双方向の関係構築ができるか |
現代マーケティングは、4Pよりも4Cを意識することが重要です。
なぜならSNSやレビューサイトにより、企業と顧客が「対等な関係」で会話する時代だからです。
マーケティングミックス
「マーケティングは4Pや4Cをバラバラに考えるのではなく、全体を組み合わせて最適化すること」が大切です。
例えば、
- 高級ブランド(製品)なら → 高価格(価格)+百貨店や直営店(流通)+ブランド広告(プロモーション)
- コンビニスイーツ(製品)なら → 低価格(価格)+全国コンビニ流通(流通)+SNS拡散(プロモーション)
このように、製品が変われば価格も流通もプロモーションも変わるわけです。
初心者向けまとめ:用語一覧
用語 | 意味 | ポイント |
---|---|---|
マーケティング | ニーズに応えて利益をあげる 仕組みづくり | 広告だけではない |
4P | 製品・価格・流通・販売促進 | 企業目線の枠組み |
4C | 顧客ソリューション・コスト 利便性・コミュニケーション | 顧客目線の枠組み |
マーケット・イン | 顧客ニーズ起点の商品開発 | 現代の主流 |
プロダクト・アウト | 作り手起点の商品開発 | イノベーションに有効 |
生産志向 | 大量生産・低価格重視 | 戦後に主流 |
製品志向 | 品質や性能重視 | 技術革新期 |
販売志向 | 売り込み重視 | 競争激化期 |
マーケティング志向 | 顧客ニーズ起点で全体最適化 | 現代マーケティング |
顧客志向 | 顧客満足と利益の両立 | サブスク時代に必須 |
まとめ
マーケティングは単なる販売テクニックではなく、顧客のニーズを理解し、最適な形で応えて利益をあげる仕組みです。
初心者はまず「4P」と「4C」を理解し、商品を売るのではなく「商品が売れる仕組み」を考えることから始めましょう。
現代のマーケティングで最も重要なのは「コミュニケーション」です。
顧客はSNSで声をあげ、企業に直接つながれる時代。
信頼を積み重ねられる企業だけが長期的に生き残ります。
