Web解析は、サイト運営や広告運用、SNS活用、アプリマーケティングに欠かせないものです。
しかし、多くの指標が存在するため「どの数字を見ればいいのかわからない」と感じる人も少なくありません。
この記事では、オウンドメディア・ペイドメディア・ソーシャルメディア・モバイルアプリに関する主要指標を、計算式とともに丁寧に解説します。
目次
1. オウンドメディアに関する指標
企業や個人が運営するWebサイト(オウンドメディア)では、ユーザーの行動を分析することが重要です。
指標 | 意味 | 活用例 |
---|---|---|
ページビュー(PV) | ページが表示された回数 | 記事やコンテンツの人気度を測る |
イベント | ページ内での特定の行動(クリック、スクロールなど) | CTAボタンの反応率測定 |
セッション数 | 一定時間内に訪問したユーザーの一連の行動 | 集客数の基本指標 |
ユニークページ数 | 特定期間に閲覧された異なるページの数 | コンテンツの幅広い利用度 |
ユーザー数 | サイトを訪れた人数 | ファン層の広がりを把握 |
新規ユーザー率 | 初訪問のユーザー割合 | 新規獲得施策の効果を確認 |
リピーター率 | 再訪ユーザー割合 | リピーター施策(メルマガなど)の効果確認 |
直帰率と離脱率
- 直帰率(Bounce Rate)
- 計算式:
サイト全体の直帰率(%)=直帰数 ÷ セッション数 × 100
- 意味:最初の1ページだけ見て離脱した割合
- 活用例:記事の冒頭やランディングページの改善に役立つ
- 計算式:
- 離脱率(Exit Rate)
- 計算式:
離脱率(%)=離脱数 ÷ ページビュー数 × 100
- 意味:そのページでサイトを離れた割合
- 活用例:カートページやフォーム入力ページの改善に役立つ
- 計算式:
オウンドメディアでは、単に「アクセスが増えた/減った」だけでなく、どのページが読まれているか・どのユーザーが行動しているかを理解する必要があります。
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ページビュー(PV)
- 例:あるブログ記事が1日に500PV。サイト全体で3,000PV。
- 解釈:記事単体で多くのPVがあるなら「検索ニーズが強いテーマ」である可能性が高い。
- 改善策:人気記事に関連記事リンクを追加し、他ページの回遊を促す。
イベント
- 例:「資料ダウンロードボタン」をクリックした人が50人。
- 解釈:セッション数が1,000でイベント数50なら、CV率は5%。
- 改善策:ボタンの位置を上部に移動、色を変える、CTA文言を具体的に。
直帰率・離脱率
- 例:ある記事の直帰率が80% → ユーザーが記事を読んですぐ離脱している。
- 原因:「記事を読み終えたら他に進む導線がない」可能性。
- 改善策:記事末に「関連記事リンク」「メルマガ登録」導線を設置。
- 離脱率例:カートページの離脱率が60% → 「送料表示が最後に出てきて離脱している」ケースあり。
- 改善策:送料を事前に明記、購入までのステップ数を減らす。
コンバージョン率
- 例:セッション数10,000、CV数200 → CVR = 200 ÷ 10,000 ×100 = 2%
- 解釈:2%は一般的な水準だが、BtoBの資料請求なら高め、ECなら低めといった基準で見る必要あり。
- 改善策:フォーム項目を減らす、限定キャンペーンを実施する。
2. ペイドメディアに関する指標(具体例つき)
広告では「出した費用がどれだけ成果に結びついたか」が最重要です。
CTR(クリック率)シナリオ
- 例:インプレッション数 50,000、クリック数 500
→ CTR = 500 ÷ 50,000 ×100 = 1% - 解釈:バナー広告なら平均0.1~0.3%、リスティング広告なら2~5%が目安。
- 改善策:見出しをユーザー目線にする/広告文に数字を入れる(例:「無料」「3日でわかる」)。
CPC(クリック単価)
- 例:広告費100,000円、クリック数2,000
→ CPC = 100,000 ÷ 2,000 = 50円 - 解釈:1クリックあたりのコストが安ければ効率的。
- 改善策:キーワードを調整、無駄クリックが多い配信先を除外。
ROAS・ROI(シナリオ)
- 例:広告費用 200,000円、売上 600,000円、利益 300,000円
- ROAS = 600,000 ÷ 200,000 ×100 = 300%
- ROI = (600,000-200,000)÷200,000 ×100 = 200%
- 解釈:ROAS300%は十分効果的。ROI200%は「広告費を2倍回収している」状態。
- 改善策:ROASが低ければターゲットを絞る/CVRが高いページへの誘導を強化する。
平均滞在時間・セッション時間
指標 | 意味 | 活用シーン |
---|---|---|
平均ページ滞在時間 | 1ページあたりの滞在時間 | 記事の読みやすさ・興味度 |
平均セッション時間 | 1訪問あたりの滞在時間 | サイト全体の価値を測る |
平均エンゲージメント時間 | アクティブに操作されていた時間 | サイトの「真の関心度」把握 |
コンバージョン(CV)
- コンバージョン数:目標達成(購入・問い合わせなど)の件数
- コンバージョン率(CVR)
- 計算式:
コンバージョン率(%)=コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100
- 計算式:
ヒット数
- サーバーにリクエストが発生した回数(PVや画像読み込み含む)
- 近年はPVやセッションの方が指標として重視される
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2. ペイドメディアに関する指標(広告)
広告運用では「投資に対してどれだけ効果があったか」を測ることが重要です。
指標 | 計算式 | 意味 |
---|---|---|
インプレッション数 | – | 広告が表示された回数 |
リーチ数 | – | 広告を見た人数 |
クリック数 | – | 広告がクリックされた回数 |
広告費用 | – | 支出した広告費 |
効率を測る計算指標
- CPM(Cost Per Mille:千回表示単価)
CPM(円)=(広告掲載費 ÷ インプレッション数)× 1,000
- CTR(Click Through Rate:クリック率)
CTR(%)=クリック数 ÷ インプレッション数 × 100
- CPC(Cost Per Click:クリック単価)
CPC(円)=広告掲載費 ÷ クリック数
- 顧客獲得単価(CPA)
CPA(円)=広告費 ÷ コンバージョン数
- ROAS(Return On Ad Spend)
ROAS(%)=売上 ÷ 広告費 × 100
- ROI(Return On Investment)
ROI(%)=(売上-費用) ÷ 費用 × 100
3. ソーシャルメディアに関する指標
SNSの運用では、単なる「数」よりも「どれだけ反応を得られたか」が重要です。
指標 | 意味 | 活用例 |
---|---|---|
リーチ数 | 投稿を見た人数 | 拡散力の測定 |
クリック数 | リンククリック数 | サイト誘導効果 |
いいね!数 | 投稿への好意的反応 | コンテンツ好感度 |
シェア数 | 投稿が共有された回数 | 拡散性の高さ |
エンゲージメント数 | いいね!・コメント・シェアなど総合 | SNSでの反応全体 |
エンゲージメント率 | エンゲージメント数 ÷ インプレッション数 ×100 | 投稿の質の評価 |
4. モバイルアプリに関する指標
アプリビジネスでは「利用の継続性」と「課金の有無」が成長の鍵です。
指標 | 意味 |
---|---|
DAU(Daily Active Users) | 1日のアクティブユーザー数 |
WAU(Weekly Active Users) | 1週間のアクティブユーザー数 |
MAU(Monthly Active Users) | 1か月のアクティブユーザー数 |
課金・収益系指標
- 課金率
課金率(%)=課金人数 ÷ アクティブユーザー数 × 100
- 新規課金率
新規課金率(%)=新規課金人数 ÷ 課金人数 × 100
- ARPU(Average Revenue Per User)
ARPU(円)=収益 ÷ 全ユーザー数
- ARPPU(Average Revenue Per Paid User)
ARPPU(円)=収益 ÷ 課金ユーザー数
売上予測系指標
- 一日の売上
一日の売上(円)=DAU × ARPU
- 月間売上
月間売上(円)=MAU × ARPU
継続・離脱系指標
- 継続率(Retention Rate)
今週の継続率(%)=今週のユーザー数 ÷ 先週のユーザー数 × 100
- チャーン率(Churn Rate)
今月のチャーン率(%)=今月のサービス利用を停止したユーザー数 ÷ 今月のユーザー数
まとめ
Web解析は、目的によって見るべき指標が変わります。
- オウンドメディアでは「直帰率・コンバージョン率」
- ペイドメディアでは「CTR・CPC・ROAS」
- ソーシャルメディアでは「エンゲージメント率」
- モバイルアプリでは「DAU・ARPU・継続率」
これらを組み合わせて分析することで、サイトや広告、アプリの改善点が明確になります。
👉 この記事を読んだ方は、自分の運営しているメディアや広告に照らして「どの指標を重点的に見るべきか」を考えてみてください。
数字を追うだけでなく、改善施策につなげることが成果を最大化する第一歩です。
