目次
はじめに:LPは「ただのデザイン」ではない
「LP(ランディングページ)」という言葉を聞くと、デザインやコーディングの印象が強いかもしれません。
しかし本質は「マーケティング戦略に基づいた設計」です。
どんなに美しいページを作っても、“誰に、何を、どう伝えるか”がずれていると、成果にはつながりません。
そこで登場するのがLPマーケティング。
これは「マーケティング戦略の中の一部」としてLPを位置づける考え方です。
LPマーケティングの位置づけ
LPマーケティングは、マーケティング全体の6つのプロセスのうち、最後の「実行計画」に属します。
以下の流れを踏むことで、論理的に“売れるLP”を設計できます。
| プロセス | 内容 | LPとの関係 |
|---|---|---|
| ① 環境分析 | 市場・競合・顧客の分析 | LP設計の前提情報を得る |
| ② マーケティング課題の特定 | 「何が問題か」を明確にする | LPの目的を定義 |
| ③ セグメンテーション | 市場をグループに分ける | どの層を狙うか決定 |
| ④ ターゲティング | 狙う顧客層を選ぶ | ペルソナ設定に直結 |
| ⑤ ポジショニング | 競合と差別化する立ち位置を決定 | USP(独自の強み)を明確化 |
| ⑥ マーケティングミックス(4P) | Product / Price / Place / Promotion | LPはPromotion領域に該当 |
✅ ポイント
LP制作は「商品設計の後」に行うのが鉄則です。
先に商品コンセプトを固め、そこからLPを構築することで一貫したメッセージ設計が可能になります。

LPマーケティングは4Pの「プロモーション」領域
マーケティングの4Pは以下の4つで構成されます。
| 要素 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| Product | 商品・サービス | コース内容、機能、品質 |
| Price | 価格 | 割引、支払い方法 |
| Place | 販売経路 | ECサイト、実店舗、SNS |
| Promotion | 販促活動 | 広告、LP、メルマガなど |
LPマーケティングは、この中の「Promotion(プロモーション)」領域に位置します。
つまり、LPは「商品をどう見せ、どう伝えるか」という“販売促進の武器”なのです。
LPマーケティングの基盤:DRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)
DRMとは、見込み客に直接アプローチして反応を得るマーケティング手法のことです。
テレビCMのような“認知型広告”ではなく、「行動を促す」ための設計が中心です。
DRMの4ステップ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① リストの収集 | メルマガ登録・LINE登録などで見込み客情報を集める |
| ② 見込み客の選別 | 反応率や属性をもとに優先順位をつける |
| ③ 商品販売 | LPやステップメールで商品を販売する |
| ④ フォロー | 新規顧客を継続的にフォロー(再購入・紹介へ) |
DRMの目的は、顧客の不満やストレスを解消すること。
単に売るのではなく、「解決策」として商品を提案するのがポイントです。
LPマーケティングの入り口:SEO・PPC・SNS
LPへの流入経路は主に3つ。
| 流入経路 | 特徴 |
|---|---|
| SEO(検索エンジン最適化) | 無料で長期的に集客できる。ブログ・コラムとの連携が重要。 |
| PPC(リスティング広告) | すぐに集客できるがコストが発生。広告文とLPの整合性が鍵。 |
| SNS(Instagram・X・TikTokなど) | 共感を生みやすく、拡散性が高い。信頼構築に向いている。 |
それぞれの特性を理解し、LPの内容・導線を最適化することで、より高いCVR(成約率)を実現できます。
セグメント・ターゲット・ペルソナの違い
マーケティング設計の中核を担うのがこの3つです。
| 用語 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| セグメント | 市場をグループに分けること | 「年齢層」「職業」「悩み」で分ける |
| ターゲット | 狙うグループを選ぶこと | 「20代女性・美容に関心の高い層」 |
| ペルソナ | ターゲットの代表となる架空の人物像 | 「都内在住・28歳・OL・美容に年間10万円投資」 |
✅ ポイント
「セグメント=分ける」「ターゲット=選ぶ」「ペルソナ=描く」
この3段階をしっかり行うことで、LPのメッセージがぶれなくなります。
3種類のLP構成:目的別に使い分ける
LPと一口に言っても、目的によって設計は大きく変わります。
| 種類 | 目的 | 代表例 |
|---|---|---|
| オプトインLP | 見込み客リストの獲得 | 無料PDF・セミナー登録 |
| フロントエンドLP | 初回購入を促す | トライアル・お試しコース |
| バックエンドLP | 継続購入・高単価商品の販売 | サブスク・コンサル・講座販売 |
1枚のLPですべてを完結させようとせず、段階ごとにLPを分ける設計が重要です。
クロスセル・アップセル・ダウンセル戦略
LPで売上を最大化するには、1回の販売で終わらせない仕組みが必要です。
| 手法 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| クロスセル | 別の商品を同時販売 | 顧客単価アップ |
| アップセル | 上位商品を提案 | 利益率アップ |
| ダウンセル | 価格を下げて再提案 | 離脱率低下 |
例えば、無料講座の後に有料講座を提案(アップセル)し、断られた人には「入門版」を提案(ダウンセル)する、という流れが効果的です。
LTV(Life Time Value)を高める戦略
LTVとは、「顧客が生涯を通じてどれだけ利益をもたらすか」を示す指標です。
| 向上のポイント | 内容 |
|---|---|
| ① 平均顧客単価を上げる | セット販売・プレミアムプラン導入 |
| ② 利益率を上げる | コスト削減・高付加価値化 |
| ③ 購入頻度を上げる | 定期購入・ステップメール誘導 |
| ④ 継続期間を伸ばす | サブスク化・会員制度導入 |
| ⑤ 顧客維持コストを下げる | 自動化・コミュニティ運営 |
| ⑥ 顧客ロイヤリティを上げる | 信頼関係構築・ブランドストーリー発信 |
LTVを上げることは、単発の売上を「継続的な収益」に変える最も確実な手段です。
企業目線と顧客目線のバランス
LP制作では「売りたいもの」と「欲しいもの」の間にギャップが生まれがちです。
このギャップを埋めるのが、顧客目線の設計です。
| 視点 | 考え方 |
|---|---|
| 企業目線 | 「この商品を売りたい」 |
| 顧客目線 | 「この悩みを解消したい」 |
✔︎ ポイント
- “企業→顧客”ではなく、“顧客→商品”の順に考える
- コピーライティングでは「ベネフィット(得られる未来)」を中心に構成する
- ユーザーの検索意図や課題をSEOと連携させて設計する
まとめ:LPマーケティングは「戦略」から始まる
LPマーケティングとは、デザインでも広告でもなく「戦略設計」です。
環境分析からLTV設計までの一連の流れを意識することで、
“偶然売れるページ”ではなく、“必然的に売れるページ”を作ることができます。
LP=デザイン × コピー × マーケティング設計
これを意識するだけで、あなたのLPの成果は確実に変わります。










