目次
URLを統一する理由とは?
同じページを表示していても、URLの表記が異なるだけで検索エンジンは別ページと判断してしまうことがあります。
これにより、外部リンクや内部リンクによる「評価(リンクポピュラリティ)」が分散し、検索順位の伸びを妨げることがあります。
URLの正規化(canonicalization)とは、こうした評価の分散を防ぐために「このURLが正しい(正規)です」と明示する仕組みです。
リンクポピュラリティとは?
リンクポピュラリティ(Link Popularity) とは、他のページからどれだけリンクされているかを検索エンジンが評価する指標です。
簡単に言うと「他サイトからの信頼度」。
多くの良質なサイトからリンクされているページほど、検索エンジンは価値が高いと判断します。
ただし、同じ内容のページが複数のURLで存在していると、評価が分散してしまい、上位表示のチャンスを逃します。
分散しやすいURLの例
下記のようなケースでは、中身が同じでも別URLとして扱われます。
| ケース | URL例 | 状況 |
|---|---|---|
| www有無 | https://www.example.com/ / https://example.com/ | 別サイトと認識される可能性あり |
| index.html / index.php 有無 | https://example.com/ / https://example.com/index.html | 同ページ扱いされない |
| URLパラメータ | https://example.com/ / https://example.com/?ref=ad | 同一ページでも異なるURL扱い |
| 末尾のスラッシュ | https://example.com / https://example.com/ | 別URLとして評価される |
| HTTP / HTTPS | http://example.com/ / https://example.com/ | 常時SSL未統一だと評価が分散 |
Googleはこれらを「重複URL(duplicate URLs)」と認識します。
Google 検索セントラル公式ガイドにて「URLの正規化」が明確に推奨されています。
URLを統一する方法(最新ベストプラクティス)
✅ 1. 301リダイレクトを使う(最も確実)
恒久的な転送を意味するリダイレクト。
古いURLにアクセスした際、自動的に正規URLに転送します。
.htaccess(Apache)の例:
# www なしURLへ統一
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTP_HOST} ^www\.example\.com [NC]
RewriteRule ^(.*)$ https://example.com/$1 [L,R=301]
# index.html を削除
RewriteCond %{THE_REQUEST} \s/+(.*)/index\.html[\s?] [NC]
RewriteRule ^ %1 [R=301,L]
301は「恒久的な転送」なので、リンク評価(被リンクの価値)をそのまま引き継ぎます。
一方、302リダイレクト(一時的な転送)やmeta refreshは評価を引き継がないため、基本的に使用しません。
✅ 2. canonicalタグを使う(似たページを整理)
301でリダイレクトできないケース(例:並び替え・フィルタ付きURL)では、<link rel="canonical">タグを利用します。
記述例:
<link rel="canonical" href="https://example.com/products/" />
これにより、「このページの正規URLはこれです」と検索エンジンに伝えられます。
ただし、あくまで“宣言”であり最終判断はGoogle側が行う点に注意しましょう。
✅ 3. Search Console で「URLパラメータ」を管理
外部リンクの広告タグ(例:?gclid=xxxx や ?ref=xxxx)など、パラメータ付きURLによる重複は非常に厄介です。
Google Search Consoleの「URLパラメータ」設定で、クロール方法を制御できます。
※2025年現在、この機能は段階的に廃止予定であり、Googleは「正規タグやリダイレクトで対応するのが望ましい」と公式発表しています。
→ 参照:Google 検索セントラル ブログ
✅ 4. HTTPS(SSL)に完全統一
HTTPとHTTPSが混在すると評価が二分され、セキュリティ面でも問題です。
サーバー設定や.htaccessですべてHTTPSへ301リダイレクトするのが基本です。
✅ 5. wwwあり/なしの選択
どちらを採用しても構いませんが、一方に統一することが大事です。
Google Search Consoleでは、両方のバージョンをプロパティ登録しておき、インデックス状況を確認しておくと安心です。
よくある質問(FAQ)
Q. canonical と 301 のどちらを使えばいいの?
→ 可能であれば 301リダイレクト。
ただし、URLを残す必要がある場合(フィルタや並び替えページ)は canonical で宣言しましょう。
Q. meta refresh(自動リロード)はダメ?
→ はい、SEO的には推奨されません。Googleは明示的な転送(301)を正しく評価します。
Q. 同じ内容をサブドメインでも展開している場合は?
→ Search Consoleで各ドメインを登録し、hreflang などの国際化タグと併用して管理しましょう。
まとめ:URL統一はSEOの土台づくり
- URLが違えば、Googleは「別のページ」と判断します。
- 301リダイレクト or canonicalタグで正規化を行い、評価の分散を防ぎましょう。
- HTTPS化・www統一も忘れずに設定。
- Search Consoleで状態を定期チェック。
URL正規化は地味に見えて、SEOを安定させるうえで欠かせない「基礎の土台」です。
特にWordPressやECサイトのようにURLが動的生成される環境では、一度設定を見直しておくことが長期的な順位維持につながります。



