Webデザイナーとして「見た目がきれいなサイトを作る」ことは大切ですが、クライアントが本当に求めているのは「成果の出るデザイン」です。
その成果を生み出すための仕組みが、LPO(Landing Page Optimization:ランディングページ最適化)
この記事では、初心者デザイナー向けに、LPOの目的・基本プロセス・デザインとの関係をわかりやすく解説します。
目次
LPOとは?目的をシンプルに理解しよう
LPOとは、ランディングページ(広告や検索結果などから最初に訪れるページ)を改善し、ユーザーが目的の行動を起こす確率を高めることを指します。
たとえば:
- 「商品購入」や「資料請求」ボタンを押す人を増やす
- 「お問い合わせ」や「無料体験」への導線をスムーズにする
つまり、LPOはデザインを「美しく見せる」だけでなく、「行動を促す」ための最適化なのです。
LPOとSEO・広告の違い
| 項目 | 目的 | 対象フェーズ |
|---|---|---|
| SEO | 検索からの集客を増やす | サイトに来てもらう前 |
| 広告 | ターゲットにリーチする | 流入を作る段階 |
| LPO | 来訪後の行動を最適化 | サイトに来た“後” |
LPOは、「集めたユーザーを逃さない」ための後工程です。
SEOや広告が入口だとすれば、LPOは「出口まで導くデザイン戦略」と言えます。
LPOの基本ステップ
① 仮説を立てる
まずは「なぜ成果が出ていないのか?」を考えます。
例:
- ファーストビューに伝わる言葉がない
- ボタンが目立たない
- ページが長くて途中で離脱している
② 改善案を作る
仮説に基づき、デザイン・コピー・構成を変えます。
ここではユーザー視点のストーリー設計が重要です。
「悩み→共感→解決策→行動」の流れを意識しましょう。
③ 検証(A/Bテスト)
実際に改善したページを公開し、どちらのデザインが成果を出しているか比較します。
たとえば、「青いボタン」より「オレンジのボタン」がクリックされやすい、というデータを取ることができます。
④ 分析→再改善
テストの結果を基に、さらにデザイン・文言・構成を調整します。
このPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを繰り返すことで、コンバージョン率は確実に上がります。
デザイナーが意識すべきLPOデザインのポイント
ファーストビュー(最初の3秒)
ユーザーが最初に見る範囲で「自分に関係がある」と感じさせる。
- キャッチコピーにベネフィット(得られる未来)を明示
- 画像でサービスの雰囲気や価値を伝える
CTA(行動ボタン)のデザイン
- 色は背景とのコントラストを強く(例:青背景にオレンジ)
- クリック後の遷移先を明確に
- 「今すぐ始める」「無料で体験」など行動を促す言葉を使用
スマホ対応と速度
スマホではボタンが押しづらい、読み込みが遅いなどの要因で離脱率が上がります。
- ボタンを親指で届く範囲に配置
- 画像を軽量化して表示速度を最適化
実際のツール活用例:Optimize NextでA/Bテスト
かつての「Google Optimize」終了後、日本語対応のABテストツールとして注目されているのがOptimize Nextです。
- コーディング不要でデザイン差分テストが可能
- 無料プランもあり、初心者でも使いやすい
- CTA・ファーストビューなどの比較テストに最適
Webデザイナーでも、このツールを使えば「どのデザインが成果につながるか」をデータで証明できます。
LPOがデザイナーにもたらすスキルアップ効果
LPOを学ぶことで、デザイナーは単なる“見た目の制作者”から一歩先へ進めます。
- マーケティング思考が身につく
- クライアントへの提案力が上がる
- 成果に直結するポートフォリオを作れる
これからのWebデザイナーは、
「どう作るか」よりも「なぜそのデザインにしたのか」
を語れる人が求められます。
LPOを意識したデザインこそ、その第一歩です。
✔︎ まとめ
- LPO=ランディングページを最適化し、行動率を上げる施策
- SEOや広告の“次の段階”で成果を出す役割
- ファーストビュー、CTA、スマホ体験が重要ポイント
- A/Bテストツールを活用してデータで判断
- デザイン+マーケティング思考を持つことで市場価値が上がる
Q&A
Q1:初心者でもLPOはできますか?
→ できます。まずは「ファーストビュー」と「ボタン周り」だけでも十分効果があります。
Q2:どれくらいで効果が出る?
→ ページによりますが、改善→検証を2〜3回繰り返すと明確に数字が変わります。
Q3:おすすめのツールは?
→ 日本語で使いやすい「Optimize Next」や「DLPO」などが人気です。






