初めてでも迷わない!“取材記事の作り方”完全ガイド

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インタビュー

――案件獲得から企画書・質問リスト、当日の動き、マナーまで

取材記事に挑戦したいけれど、

  • どこから仕事を取ればいい?
  • 実績がないけど大丈夫?
  • 取材当日は何をすればいい?

と不安になっている人は多いはずです。

でも、取材記事は正しいステップと基本マナーさえ押さえておけば、未経験からでも十分スタートできます。
この記事では、

取材記事の種類
→ 案件獲得方法
→ 準備(企画・質問リスト)
→ 取材当日の進め方
→ 執筆のコツ
→ 取材ライターとしてのマナー

までを一気に解説していきます。

目次

1. 「取材記事」にはどんな種類がある?

取材記事は、大きく分けて3つのジャンルに分けられます。

 1-1. 人の取材(単価が高くなりやすい)

  • 有識者
  • 社長
  • 開発者
  • インフルエンサー

専門性や影響力が高い人へのインタビューは、案件単価も高くなりやすいのが特徴です。
特に「社長インタビュー」「インフルエンサー取材」は、高単価案件として募集されることもしばしばあります。

 1-2. 店・場所の取材(単価は低め)

  • 飲食店
  • 雑貨屋
  • 地域の有名店
  • 観光地

このジャンルは、総じて単価が安くなりがちです。理由は2つ。

  1. お店側が取材にお金を払うハードルが高い
  2. 「やってみたい人」が多く、競争が激しい

とはいえ、実績づくり・経験値アップには最適なジャンルです。
「まずは場数を踏みたい」「取材の流れに慣れたい」という人にはすごく向いています。

 1-3. サービス・モノの取材(高単価・専門性高め)

  • 新サービス
  • 新商品
  • 導入事例
  • 利用者インタビュー

BtoBの導入事例記事や、新サービスの背景を掘る記事は、
専門知識が求められる分、単価も高くなる傾向があります。

デメリットは、

  • 業界知識・専門用語に慣れる必要がある
  • 誤解のないよう、丁寧な確認が必須

という点ですが、その分スキルと単価が同時に伸びるおいしいジャンルでもあります。

2. 取材案件はどこから取れる?4つのルート

 2-1. クラウドソーシング

  • 能動:募集ページから応募
  • 受動:スカウトを待つ

クラウドソーシングは単価は低めですが、「未経験だけど実績を作りたい」という人にはとても使いやすい場です。

 2-2. SNS(X・Instagram・Facebookなど)

  • 能動:募集に応募する/自分で「書きます」と発信する
  • 受動:DMでスカウトされる

ただし、発注者としては「知らない人」よりも、日頃から発信を見ている人に頼みたいという心理があります。

プロフィール+自分の書いた記事
「取材記事書きます」の一言

これだけでも、声がかかるきっかけになります。

 2-3. メディア・編集部への直接応募

  • 能動:求人・募集ページから応募
  • 受動:基本的に待っても声はかからない

オウンドメディアやWebメディアでは、「ライター募集」「編集アシスタント募集」と書かれていることがあります。
記名記事の実績があると、ここで一歩抜けて見えるようになります。

 2-4. 知人・人づての紹介

  • 能動:「取材ライターをやっています」と名乗る
  • 受動:知人から紹介される

意外と侮れないのがこのルートです。
「実はこういうインタビュー記事を書ける人いない?」という相談は、社長・個人事業主・フリーランス界隈では日常茶飯事です。

3. 実績ゼロならまず「誰か1人」を取材してみる

案件を取りに行く前に、まずは自分で誰か1人を取材して、1本記事を書いてみましょう。

  • 友人の個人事業主
  • 身近な経営者
  • 地元のお店の店主

などでOKです。

書いた記事は、ブログやnoteに記名で公開しましょう。

内容の完成度よりも、「取材して記事にできた実績」が何よりの武器になるという感覚でOKです。

4. 取材記事に必要な3つの力

 4-1. 専門知識

業界の基礎用語や、最低限の前提知識を押さえておくと、質問の質も上がり、相手からの信頼も得やすくなります。

 4-2. コミュニケーション力(愛嬌含む)

  • 話しやすい空気を作る
  • 相手の言葉を遮らず最後まで聞く
  • 相手の「いいところ」を引き出そうとする姿勢

いわゆる“愛嬌”も、立派なスキルです。

 4-3. 深掘り&引き算の編集力

  • 「例えば?」「なぜ?」「どう違うんですか?」で深掘る
  • 記事化の際は、読者が混乱しないよう情報を削る勇気を持つ

録音はあくまで保険で、本当に大事なのは「聞きながら理解し、要点を掴む力」です。

5. 取材記事の制作フロー

ざっくりとした全体の流れはこんな感じです。

  1. 企画案を作る
  2. 構成の仮案とターゲットを決める
  3. ラフな絵コンテ・構成メモを作る
  4. 質問リストを用意
  5. 取材(オンライン・オフライン)
  6. 執筆
  7. クライアント&取材相手に確認
  8. 公開・シェア

この流れを一通り経験すると、「取材は怖いもの」から「手順で回せる仕事」に変わっていきます。

6. 取材は「企画」が命

良い記事は、取材の場ではなく企画段階でほぼ決まると言っても過言ではありません。

 企画書に盛り込みたい内容

  • 取材の目的・背景
  • 読者ターゲット
  • 伝えたいメッセージ
  • 何を・誰に取材するのか
  • 取材先のメリット
  • 掲載媒体と拡散方法
  • 取材形式(オンライン/オフライン)
  • 時間・報酬・経費など条件面
  • 完成イメージ(サンプル記事)

特に、「なぜあなたに取材したいのか」は、モチベーションと情報の出方に直結する重要要素です。

7. 取材先への連絡の仕方

 面識がない場合

  • 公式サイトの問い合わせフォームから連絡
  • なければSNSのDMでもOK

 面識がある場合

  • SNSのDM
  • メールやチャットツール

法人に取材する場合は、可能な限り「担当者」レベルまで絞り込みましょう。
(例:採用担当、新規事業担当 など)

8. オフライン取材のポイント

 8-1. 場所選び

おすすめ:

  • 相手のオフィス
  • 貸し会議室

理由:

  1. 取材に集中できる
  2. 撮影しやすい
  3. 情報漏えいのリスクが低い

カフェは、周囲の目・音・撮影許可など、気を使うポイントが多いため基本は避けます。

 8-2. 経費について

  • 交通費
  • 場所代
  • カメラマン代
  • 謝礼 など

受注時点で、オフライン取材の経費を請求してよいか確認しておきましょう。
後出しで交渉すると、クライアントの心証を大きく損ねてしまいます。

9. オンライン取材のポイント

  1. ツールはこちらから提案(例:Zoomでよろしいですか?)
  2. 日程候補は5案程度まとめて提示
  3. 決まったらすぐURLを発行して送付
  4. 質問リストはなるべく早めに送る(遅くとも3〜5営業日前まで)

「何がいいですか?」と丸投げせず、選択肢を出してあげるのがオンライン取材のマナーです。

10. 質問リストの作り方

質問リストは、記事の深さを決める“設計図”です。

 必ず入れたい2つの要素

  1. 具体例・エピソード
  2. 原因・根拠・数字

抽象的な話だけでは、読者が「結局どういうこと?」となってしまいます。

 質問数の目安

  • 多くても20個程度
  • 特に重要なものには★を付ける

数字やデータに関する質問は、その場で答えるのが難しい場合もあるため、あらかじめ「ここは必ず聞きたい」と明確にしておきましょう。

 質問の型

  • 人物中心:過去 → 現在 → 未来
  • ノウハウ中心:課題 → 原因 → 対策 → 効果
  • 事例中心:導入前 → 導入の決め手 → 導入後の変化

11. 取材相手のリサーチ

  • 過去のインタビュー記事
  • SNSの発信(直近1ヶ月)
  • 公式サイト・プレスリリース
  • 同ジャンルの他のインタビュー記事

リサーチが浅いと、「どこかで聞いたことのある話」しか引き出せません。
質問リストとリサーチはセットで考えましょう。

12. 取材中の立ち回り

  • 穴埋め式のメモシートに書き込みながら進行
  • 「例えば?」「なぜ?」「どう違いますか?」で深掘り
  • 抽象的な回答には、自分から例を出してみる
  • 数字・データはその場で確認

録音は必ずしておきつつ、「録音がなくても骨は書ける」くらいの気持ちで臨むと、
現場での集中力が高まります。

13. 取材後〜原稿完成まで

  1. なるべく早く書き始める
  2. 録音で細部を補う
  3. 原稿ができたら、クライアントと取材相手の両方に確認
  4. 必要があれば加筆・修正
  5. 公開・シェア

14. 情報発信で「仕事が来る環境」を作る

 noteでの発信が特におすすめ

30代後半〜50代の経営者層は、ブログサービスとして note/Facebook/アメブロ しか知らないことも多く、noteでの発信がそのまま仕事に直結するケースもあります。

はじめは、

  • マインド系(働き方・価値観)
  • ノウハウ系(ライティング・取材術)
  • 自己紹介・目標

といった記事を書いておくと、クライアントにとっての「期待値コントロール」がしやすくなります。

15. 取材ライターとしてマナーとしてやっておきたい6つのこと

ここからは、スキルとは別に「この人に仕事をお願いし続けたい」と思ってもらうためのマナーを6つ紹介します。

 15-1. ZoomなどのURLは受注者側が用意する

オンラインで打ち合わせをするとき、先にZoomなどのURLを用意して送ると、それだけで「気がきく人」という印象になります。

  • 発注者に余計な手間をかけさせない
  • スムーズに打ち合わせに入れる

特に、編集者・ディレクター的な立場を担うなら、この一手間が継続や単価アップにつながる行動になります。

 15-2. ライター名は読みやすいものにする

ペンネームは自由ですが、「誰でも読める・常識的な名前」にしておくのが無難です。

  • 難読漢字や中二病っぽい名前は覚えにくい
  • 上司やクライアントに紹介しづらい
  • 「読者目線を持てる人なのかな?」と不安に思われることも

取引相手の多くは法人やビジネスパーソンです。
信頼を得るためにも、「まじめに仕事をしてくれそう」と感じてもらえる名前にしておきましょう。

 15-3. クライアントに送りにくいメールアドレスは使わない

  • ふざけた単語
  • 過激な表現
  • あまりにもカジュアルすぎるID

こうしたメールアドレスは、紹介するときに恥ずかしい・信用しづらいと思われてしまいます。

場合によっては、「お仕事用のアドレスを新しく作りましょう」と指摘されることも。

仕事用のメールアドレスは、「自分が上司に紹介されても平気か?」を基準に決めるくらいがちょうどいいです。

 15-4. 打ち合わせ予定は「1日前」と「当日」に必ずリマインド

  • 打ち合わせ前日
  • 当日の朝 or 数時間前

この2回、軽くリマインドしておくと、「しっかりしている人」という印象を与えられます。

クライアント側も忙しいので、予定をうっかり忘れてしまうこともあります。
その時に、

  • ドタキャン
  • リスケ連絡の抜け

といったトラブルを防げるのもメリットです。

 15-5. ディレクターとのコミュニケーションを大切にする

継続して依頼をもらえるライターは、文章のうまさ以上に「ディレクターへの態度」が丁寧です。

  • フィードバックを次回にきちんと反映する
  • 指摘に対して拗ねない・黙らない
  • 「ありがとうございます」「ここ勉強になります!」と一言添える

オンラインで顔をあわせる機会が少ないからこそ、チャット上の一言一言が相手の印象を決めます。

 15-6. 取材には自分でもカメラを持っていく

カメラマンが同行する場合でも、自分用のカメラ(またはスマホ)を必ず持っていきましょう。

  • カメラマンの機材トラブル
  • 交通遅延による遅刻・不参加

といった想定外に備えるためです。

「いざという時に最低限の写真が撮れる」
この安心感だけでも、クライアントからの評価は確実に上がります。

16. 取材記事の目的は「CV(成果)につなげること」

最後にもう一度、取材記事のゴールを整理しておきます。

企画段階で決めるべきは、

  • 取材の目的・背景
  • 読者ターゲット
  • 伝えたいメッセージ
  • 誰に・何を取材するのか
  • 取材先のメリット

この5つです。

ここが曖昧なままだと、「いい話っぽいけど、何も残らない記事」になってしまいます。

まとめ:取材は「準備」と「マナー」で差がつく仕事

取材記事は、

  • 企画・リサーチ・質問リストなどの準備
  • 当日の深掘り・聞き方
  • その後のコミュニケーションやマナー

この2つでほとんど差がつきます。

  • まずは誰か1人を取材して、1本記事を書く
  • noteやブログに記名で公開する
  • SNSで「実績」と「仕事受けられます」を発信する
  • 企画・質問・マナーを一つひとつ磨いていく

このステップを重ねていけば、「取材は怖いもの」から「自分の武器」に変わっていきます。

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