目次
1. はじめに:なぜGCPがデータ分析に強いのか?
クラウドサービスといえば、「AWS(Amazon Web Services)」「Azure(Microsoft Azure)」「GCP(Google Cloud Platform)」の3大巨頭が有名です。
それぞれ得意分野がありますが、データ分析分野においてはGCPがトップクラスの評価を受けています。
理由は明確です。Googleは検索エンジン、YouTube、Googleマップなど、世界有数のサービスを日々運営し、膨大なデータをリアルタイムで処理してきた実績があります。
その経験と技術をベースに作られたのが、Google Cloud Platform(GCP)です。中でも象徴的な存在が、超高速なクラウド型データウェアハウス「BigQuery(ビッグクエリ)」。
何億行ものデータを数秒で処理できるこのサービスは、企業のデータ活用を大きく変えてきました。
2. Google Cloud Platform(GCP)とは?
Google Cloud Platform(GCP)は、Googleが提供するクラウドサービス群の総称です。
簡単に言えば、「高性能なサーバーやデータ処理システムを、自分で持たずにGoogleのインフラを借りて使える」仕組みです。
インターネットさえあれば、世界中どこからでもアクセス可能です。
GCPはさまざまな分野をカバーしています。
分野 | 代表サービス | 特徴 |
---|---|---|
データ分析 | BigQuery, Dataflow, Dataproc | 超高速なビッグデータ分析 |
機械学習 | Vertex AI, AutoML | コーディング不要でAIモデル作成 |
ストレージ | Cloud Storage | 大容量データ保存・バックアップ |
コンピューティング | Compute Engine, App Engine | 高性能サーバー環境の提供 |
ネットワーク | Cloud CDN, Cloud Load Balancing | 高速・安定した配信環境 |
個人的にはこれが一番わかりやすいと思う一冊です。
3. GCPのデータ分析の切り札「BigQuery」
GCPがデータ分析で一目置かれる理由は、間違いなくBigQueryの存在です。
3.1 BigQueryとは?
BigQueryはGoogleが提供するクラウド型データウェアハウスで、「大量のデータをクラウド上で管理・分析できるサービス」です。
SQLというデータベース操作言語を使えば、何億件ものレコードでも数秒で集計結果を返してくれます。
3.2 BigQueryの強み
- 圧倒的な処理速度
数十億行のデータでも秒単位で集計可能。 - サーバーレスで管理不要
サーバーの設定や保守は不要。分析に集中できる。 - 従量課金で低コスト
使った分だけ支払うので、無駄なコストが発生しにくい。 - AIとの親和性
Vertex AIやTensorFlowと簡単に連携でき、予測分析や自然言語処理なども実現可能。
4. GCPでデータ分析を行う流れ
初心者でもイメージしやすいように、GCPを使ったデータ分析の流れをステップごとに説明します。
ステップ1:データを集める
- 手元のCSVやExcelファイルをGoogle Cloud Storageにアップロード
- APIやIoTデバイスからリアルタイムに取得
ステップ2:データを整える
- Cloud DataPrepで不要なデータを削除・形式を統一
- DataflowでETL(抽出・変換・ロード)処理
ステップ3:分析する
- BigQueryでSQLを実行して集計や条件抽出
- 数百万〜数十億件のデータでも高速処理
ステップ4:可視化する
- Looker Studio(旧Google Data Studio)でグラフやダッシュボードを作成
- 部署や経営層とリアルタイムで共有可能
ステップ5:AIで予測(応用編)
- Vertex AIで予測モデルを作成
- 売上予測や需要予測など、ビジネス判断に活用
5. 他のクラウドサービスとの比較
項目 | AWS | Azure | GCP |
---|---|---|---|
データ分析の主力 | Redshift, Athena | Synapse, Power BI | BigQuery |
処理速度 | 高速(調整が必要) | 高速(MS製品との統合◎) | 超高速(設定少なめ) |
AI連携 | SageMakerなど | Azure ML | Vertex AI、AI API |
初期コスト | やや高め | 中程度 | 低コストで開始可能 |
AWSやAzureもデータ分析は可能ですが、BigQueryの速度とAI連携の容易さはGCPならではです。
6. 初心者がGCPを学ぶメリット
- 無料枠が充実
新規登録で$300分のクレジットを利用可能。 - 学習リソースが豊富
Google公式チュートリアルや動画、Qwiklabsなど実践型教材が揃っている。 - SQLさえわかれば始められる
複雑なプログラミングなしで本格分析が可能。
7. GCP学習のおすすめステップ
- 公式ハンズオンで体験
BigQueryのサンプルデータを使ってクエリを実行。 - 小規模案件で実践
自分のブログのアクセス解析や売上データ集計などから。 - AI連携に挑戦
Vertex AIで機械学習モデルを作って予測分析。
8. まとめ
- GCPはGoogleの膨大なデータ処理ノウハウをそのまま使えるクラウドサービス
- データ分析の中心はBigQueryで、超高速かつ低コスト
- AIや機械学習との親和性が高く、将来のデータ活用にも強い
- 初心者でも無料枠から気軽に始められる
ビジネスの意思決定にデータ活用は不可欠です。
これから学び始めるなら、まずはGCPを触ってみることをおすすめします。
資格もあるので、それを目的に勉強するのも良いと思います。自分はそのタイプです。
