「履歴書は面接の直前に書けばいい」
そう思っている方は、意外と多いかもしれません。
しかし、採用担当者として何百枚もの履歴書を見てきた私から言わせてもらえば、履歴書は面接練習よりも先に仕上げるべきです。
履歴書は、あなたの分身であり、面接会場への「入場券」です。
どれだけ面接練習をしても、履歴書で興味を持ってもらえなければ、そのチャンスは訪れません。
今回は、元採用担当者の目線から「受かる履歴書」の作り方を、余すところなくお伝えします。
転職や再就職を目指す方、中途採用に挑む方はもちろん、新卒の方にも役立つ内容です。
目次
履歴書の目的は「面接に呼んでもらうこと」
まず大前提として、履歴書の目的は 「面接に呼ばれること」 です。
決して「自分の経歴をすべて書き並べること」ではありません。
採用担当者は、1枚の履歴書から「この人に会ってみたい」と思えるかどうかを判断します。
そのためには、わかりやすく、ストーリー性があり、読み手の興味を引く内容である必要があります。
「応募は数撃ちゃ当たる」ではなく、狙った企業に的確に刺さる履歴書を作ることが重要です。
自分を「商品化」して売り込む
履歴書は、あなた自身を「商品」として売り込む営業ツールです。
このとき大切なのは、主観ではなく客観的な事実や数字で表すことです。
例えば…
- 「〇〇事業部主任」
→ 入社〇年目で、〇〇人規模の事業部の主任を任され、売上〇%増に貢献 - 「営業で好成績」
→ 目標達成率〇%を〇期連続で達成 - 「業務改善担当」
→ 紙の消費量〇%削減、残業率〇%減、生産性〇%向上を実現 - 「新卒の教育係」
→ 〇年間で〇〇人の新入社員を指導し、定着率〇%を達成
数字を入れることで、成果が一目で伝わり、信頼性も高まります。
職務経歴書は「成果」を中心に書く
履歴書と並んで重要なのが職務経歴書です。
しかし、これは報告書ではありません。すべてを網羅する必要はなく、「自分の強み」が伝わる実績を厳選して書くことが大切です。
ありがちな失敗は「量で勝負」すること。
実績に自信がない人ほど情報を詰め込みすぎて分厚くなり、採用担当者は読む気を失います。
成果+再現性+将来のビジョン
この3つが盛り込まれていれば十分です。
「この先やってみたいこと」を必ず書く
採用担当者は、あなたの過去だけでなく未来も見ています。
「この会社で何をしたいのか」「どんなキャリアを築きたいのか」を具体的に書くことで、熱意と方向性が伝わります。
よくあるのは、希望や将来像が薄く、無難にまとめてしまうパターン。
これでは「志望度が低い」と思われかねません。
多少盛っても構いません。この会社で成し遂げたいことを明確に書きましょう。
転職理由・就職理由は「前向き」に
転職や再就職の経験がある方は、その理由や価値観の変化も履歴書に含めると効果的です。
ただし、ネガティブな理由はそのまま書かないこと。
× 「前職がブラックだったから」
〇 「より専門性を高められる環境で成長したいと思ったから」
理由は前向きに置き換え、次の職場での意欲につなげましょう。
資格は最強の「スキル証明書」
「資格なんて意味がない」という声もありますが、それは誤解です。
資格は、初対面の採用担当者に確かなスキルがあることを一瞬で証明できる武器です。
- 「この資格を取れるだけの知識がある」
- 「学習を継続できるモチベーションがある」
これらは、採用担当者にとって非常に重要な評価ポイントです。
また、入社後に資格を持っていることでプロジェクトに呼ばれる可能性も高まります。
自己PRは「企業目線」で書く
自己PRは「自分の自慢話」ではなく、企業にどう貢献できるかを示す場です。
- これまでの経験と実績
- それが会社の利益や業務改善にどうつながるか
- 入社後にどんな成果を出せるか
この流れで書けば、採用担当者は「この人を採りたい」と感じます。
見やすさは正義
履歴書は手書きでもPC作成でも構いません。
字の上手さをアピールしたいなら手書きも良いですが、そうでなければ読みやすさ優先で作成しましょう。
採用担当者の多くは40〜50代で、細かい文字が読みづらいこともあります。
フォントは大きめ・行間に余裕を持たせることで、読み手の負担を減らせます。
面接を意識した履歴書づくり
履歴書を書く段階から、面接での受け答えを想定しておくとスムーズです。
「この実績について質問されたら、こう答える」という形でストーリーを準備しておくことで、本番で慌てません。
まとめ|履歴書は「面接の前に仕上げる」のが正解
- 履歴書の目的は面接に呼ばれること
- 数字で成果を示すと説得力が増す
- 職務経歴書は成果と再現性を中心に
- 「この先やってみたいこと」を明確に
- 資格は立派なスキル証明書
- 自己PRは企業目線で
- 読みやすさを重視
履歴書は、あなたの分身であり、最初の営業ツールです。
面接練習よりも先に、納得できる一枚を仕上げることが、転職成功の近道です。
古い本ですが、良い知恵が詰まっています
こちらもロードマップのようになっていて読みやすいです。