【第7回】GTMでスクロール率・動画再生をトラッキングする方法|ユーザーの関心を可視化しよう

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【第7回】GTMでスクロール率・動画再生をトラッキングする方法|ユーザーの関心を可視化しよう

「ページは見られてるけど、本当に読まれてるの?」
「動画を設置したけど、どこまで再生されてるか知りたい」

そんな方に向けて、この記事ではGoogleタグマネージャー(GTM)を使ったスクロール率と動画再生のトラッキング方法をわかりやすく解説します。

GA4と連携することで、“ユーザーの滞在の質”を数値化できるようになります。


デザイン改善・コンテンツ分析・SEO施策に欠かせない設定です。

🧭 この記事でわかること

  • スクロール率をGA4で計測する方法
  • YouTube動画の再生・完了を計測する方法
  • 取得したデータをGA4で確認する手順
  • 分析・改善に活かすポイント

1. なぜスクロール・動画トラッキングが重要なのか?

ページビューや滞在時間だけでは、「どのくらい読まれたか」「どこで離脱したか」が分かりません。

そこで役立つのが、
スクロール率(どこまで読まれたか)
動画の再生・視聴完了率(どこまで見られたか)

これをGTMで自動トラッキングすることで、

「記事の最後まで読まれたのか」
「動画が途中で離脱されていないか」


を具体的に把握できます。

2. スクロール率を計測する設定(GTM)

🪄 手順①:スクロールトリガーを作成

  1. GTM管理画面 → 「トリガー」 → 「新規」
  2. タイプ:スクロール距離 を選択
  3. 垂直方向のスクロール距離 にチェック
  4. 25%、50%、75%、100% に設定
  5. トリガーを「All Pages(全ページ)」に適用
  6. 保存

💡 この設定で、ページの25%、50%、75%、100%に達したタイミングを検出できます。

🪄 手順②:タグを作成

  1. GTM → 「タグ」 → 「新規」
  2. タグタイプ:GA4イベント
  3. イベント名:scroll_depth
  4. 測定ID:既存のGA4設定タグを選択
  5. トリガー:作成したスクロールトリガー
  6. 保存

🪄 手順③:プレビューで確認

  1. 「プレビュー」をクリック → サイトURLを入力
  2. ページを下にスクロール
  3. タグが正しく発火しているか確認

💡 GA4の「リアルタイム」画面で scroll_depth イベントが出ていれば成功!

3. YouTube動画再生をトラッキングする設定

GTMはYouTube動画の再生・一時停止・完了などを自動で検出できます。

🪄 手順①:トリガーを作成

  1. 「トリガー」 → 「新規」
  2. タイプ:YouTube動画 を選択
  3. イベント:再生、停止、完了にチェック
  4. トリガーを「すべての動画」に適用
  5. 保存

🪄 手順②:タグを作成

  1. 「タグ」 → 「新規」
  2. タグタイプ:GA4イベント
  3. イベント名:video_event
  4. パラメータを追加(任意)
     - 動画タイトル:{{Video Title}}
     - 動画進行率:{{Video Percent}}
  5. 測定ID:GA4設定タグを選択
  6. トリガー:作成したYouTubeトリガー

💡これで「どの動画が」「どこまで再生されたか」が記録されます。

🪄 手順③:プレビューで確認

  1. プレビューを開いてページ内の動画を再生
  2. 「Tags Fired」欄に video_event が表示されていればOK

4. GA4でデータを確認する

📊 確認方法

  • メニュー:「レポート」→「エンゲージメント」→「イベント」
  • イベント一覧に scroll_depthvideo_event が追加されているか確認

📈 詳細を見たい場合

  • 「探索」→「自由形式」
  • ディメンション:イベント名、ページタイトル
  • 指標:イベント数、ユーザー数

👉 ページごとの読了率・動画完了率が比較できます。

5. 分析で分かること

データ意味改善のヒント
scroll_depthページをどこまで読んだかスクロール率50%以下のページは構成を見直す
video_event動画の再生・完了率離脱が多い箇所に字幕や要約を追加
エンゲージメント率ページ内でのアクション率滞在の質を可視化できる

スクロールと動画のデータを組み合わせることで、「興味を持たれるコンテンツ」と「離脱されるポイント」が明確になります。

6. トラブル時のチェックポイント

症状原因対処法
スクロールが計測されないページが短い・設定誤り長めのページで確認、%を調整
動画が反応しないiframe埋め込みでAPI非対応YouTube埋め込みコードを確認
GA4に反映されない測定ID不一致・未公開GTMタグ公開を確認

7. 活用アイデア

活用例内容
ブログの読了率分析記事のスクロール完了率を比較して人気記事を特定
LPの改善50%で離脱が多い場合はCTA位置を再検討
動画コンテンツ改善再生完了率が低い箇所の導入を短縮・要約追加
SEO改善の参考高スクロールページを内部リンクの中心に配置

💬 スクロール率=コンテンツの“熱量”を測る最強指標です。

8. まとめ|滞在の質を“数値化”しよう

計測内容イベント名効果
ページ読了率scroll_depth記事・LPの改善に役立つ
動画視聴率video_eventコンテンツ評価・UX改善
両方を合わせるscroll + videoユーザーの関心分析が可能

「どこまで見られたか」を数値で把握することで、デザイン・構成・動画内容を“定量的に改善”できます。

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