目次
はじめに:Webディレクターは“チームの舵取り役”
「今からWeb業界に飛び込むなんて遅いかな?」
そんなふうに感じている30代・40代の方へ。
実はWebディレクターという職種は、多職種からの転職にもチャンスがあります。
Webディレクターは、チームをまとめ、クライアントの想いをカタチにする「司令塔」。
技術職のように若手が多い分野と違い、意外にも“なり手が少ない”のが現状です。
なぜなら、デザインやプログラミングのような「手を動かす」仕事ではなく、人を動かす・考えを整理する・調整するという“経験値”が求められるから。
つまり、社会人経験が豊富な30代・40代の方こそ向いているポジションなのです。
デザイナーやエンジニアのように手を動かす職種ではないため、若者がなりたがらず、人材不足が続いているのが現実。
じゃあ、自分もそっちがいいと思われるかもしれませんが、30代・40代未経験で、経験豊富な同世代に勝てるわけもなく、ましてや伸びしろのある20代と同じ土俵で戦うには知識的にも技術的にもかなり厳しいのが現状です。
自分もかなり勉強した!と思われるかもしれませんが、こちらは仕事の合間に勉強しているだけ、かたや向こうは1日中勉強をしている状態です(しかも現場という英才教育)。
しかし裏を返せば、経験豊富な社会人が活躍できるポジションということ。
Webディレクターには、現場で培った「調整力」「コミュニケーション力」「マネジメント力」がそのまま活かせます。
実際、30代・40代からのキャリアチェンジで活躍する人が増えています。
現場を支えるリーダー役、全体を俯瞰して動かす立場――
まさに、あなたのこれまでのマネジメント力やコミュニケーション力が、そのまま武器になります。
この記事では、そんな「未経験からWebディレクターを目指す方」のために、ゼロから何を学び、どう行動すればいいのかをロードマップ形式でわかりやすく紹介します。
🔍 この記事でわかること
- Webディレクターがかなり手不足になっている理由
- 30代・40代が強みを活かして活躍できる根拠
- 未経験からでも実践できる学習ロードマップと行動ステップ
Webディレクターがなり手不足の理由

1. 若手が「ディレクション職」を敬遠する傾向にある
Web業界というと、真っ先に思い浮かぶのはデザイナーやエンジニアといった「作る人」です。
若い世代に人気があるのは、技術を磨いて作品を生み出す“クリエイティブ職”。
一方、Webディレクターはどちらかというと裏方の調整役。
華やかさよりも「スケジュール管理」や「チーム間の調整」が中心で、トラブル対応も多い。
そのため、若手には少し地味に映ってしまうのです。
でも、ここがまさにチャンス。
若手が避ける分、経験ある世代が活躍しやすいポジションでもあります。
社会人としての段取り力・人間関係の調整力は、年齢を重ねたからこそ光るスキルです。
2. Web制作の現場が“複雑化”している
今のWebサイトは、昔のように「HTMLを組めば完成」という単純なものではありません。
SNS連携、SEO、UI/UX、GA4分析、CMS運用…
専門分野が増えすぎて、誰かが全体を統括しなければ回らない状態です。
その“全体を見渡して動かす人”こそ、Webディレクター。
でもこの役割を果たせる人が圧倒的に少ないため、どの制作会社も常にディレクター不足なのです。
特に業界的に新しいので、体系的にまとまってないです。
(これ何度も言うかもですが、本当にまとまりがない。)
つまり、「全体を整理できる人」ほど市場価値が高いということ。
40代のマネジメント経験や、30代の実務スキル+調整力はまさに求められています。
3. クライアントとのコミュニケーション力が求められる時代
Web制作の現場では、「要望を正しく理解し、言葉で伝える力」が以前にも増して重要になっています。
AIや自動化が進んでも、“人の想いを翻訳する”のは人間にしかできない仕事。
Webディレクターは、クライアントの「伝えたい想い」を汲み取り、デザイナー・エンジニアに正確に伝える“通訳者”のような存在です。
だからこそ、営業経験・接客経験・チーム管理の経験がある人は強い。
これまでの職歴が、そのままディレクションスキルとして活かせるのです。
4. 「責任感」より「信頼感」が重視される仕事だから
ディレクションには、リーダーとしての“責任感”はもちろん必要です。
でも実際の現場では、それ以上に重要なのが“信頼感”。
「この人が言うなら大丈夫」
「この人が整理してくれるなら安心」
──そんな“信頼される空気”をつくることこそ、ディレクターの資質です。
これは、年齢を重ねた社会人の方が自然に持っている強みです。
若手よりも包容力と安定感が求められる仕事だからこそ、30代・40代が輝けます。
このように、“人をまとめた経験”がある人ほど求められているのが今のWeb業界のリアルです。
Webディレクターは「経験で戦える」数少ないWeb職種
ポイント | 解説 |
---|---|
若手が避ける職種 | 調整力・責任感が必要なため敬遠されがち |
現場の複雑化 | 専門職が増えた分、全体をまとめる人材が不足 |
経験が武器になる | コミュニケーション力・信頼感が活きる |
採用市場も拡大 | 制作会社・企業サイト運営ともに求人増加傾向 |

Step 1:Web業界の全体像を理解しよう
まずは、Web制作の流れを知ることが第一歩です。
制作現場では、以下のような流れでサイトが作られます。
フェーズ | 内容 | 主な担当者 |
---|---|---|
① 企画 | 目的・ターゲット設定、サイト構成案の作成 | ディレクター、マーケター |
② デザイン | 見た目やレイアウトを設計 | デザイナー |
③ コーディング | HTML/CSS/JSで形にする | コーダー・エンジニア |
④ テスト・公開 | 動作確認・SEO対策・納品 | 全メンバー |
⑤ 運用・改善 | アクセス解析・修正提案 | ディレクター・マーケター |
👉 この全体を俯瞰して動かすのが、Webディレクターの役割です。
Step 2:必要なスキルを知ろう
Webディレクションは「幅広く浅く」から始めるのが基本です。
以下の5つを意識して学びましょう。
スキルカテゴリ | 具体的な内容 |
---|---|
1. コミュニケーション力 | クライアントとのヒアリング/制作チームとの橋渡し |
2. Web知識 | HTML/CSSの基礎理解、CMS(WordPressなど) |
3. 進行管理力 | スケジュール、コスト、品質のバランス管理 |
4. マーケティング思考 | SEO、コンテンツ戦略、KPI設計 |
5. 分析力 | GA4・Search Console・ヒートマップなどを活用 |
🔍 ポイント
すべてを完璧に理解する必要はありません。
「各専門職とスムーズに話せる程度の知識」を身につけることが大切です。
ようするに浅く広く色々な知識を取り入れる姿勢が大切です。
あと、仕事しだしてからも新しい技術や知識はひととおりつまみ食いする精神も大切です。
(それが何に役立ち、どんなことができて、どんなことができないかを知るだけでOK。自分ができなくても知っているだけでいいんです。)
デベロッパーツールは見れるようにしておいた方が良いです。
Step 3:おすすめの学習方法
未経験でも、順を追えば着実にスキルを身につけられます。
① Webの基礎を学ぶ
- ProgateやドットインストールでHTML/CSSの概要を把握
- WordPressで実際に小さなサイトを作ってみる
② マーケティング視点を養う
- 書籍『沈黙のWebマーケティング』
- 書籍『現場で使えるSEOの教科書』
- Googleアナリティクス アカデミーで無料学習
③ 進行管理を体験する
- Trello・Notion・Backlogなどで仮のプロジェクトを組んでみる
- チームで作業を分担してみることで、流れが実感できます
Step 4:実務的なディレクションを体験する
自分でサイトを作る、もしくは知人のビジネスをサポートしてみるのがおすすめ。
実際の案件で「進行管理」や「ヒアリング」を経験することで、一気に理解が深まります。
💬 例:
- 友人のポートフォリオサイトを企画・制作
- 小さな店舗サイトの改善提案を作ってみる
- 自分のブログでアクセス分析〜改善施策を試す
手っ取り早いのはグループワークができるスクールなどを利用することです。
どちらにせよ、40代転職組は時間が限られている(年齢的にも、物理的にも)のでスクール一択となりますが、30代なら独学でもありっちゃありとは思います。
(ただ、他の業界と違って体系的にまとまってないんですよね。Webデザイナーとか今でこそ有名ですが、20年前はなんちゃらデザイナーとかなく、パソコンでメモを使ってHPが作れる人みたいな立ち位置だった。)
ただ、全体を俯瞰できる知識を幅広くとなると中々難しいですよ?
勉強してみるとわかりますが、範囲が非常に広くどこが大切かわからない。
(もうね、デザイナーによってマチマチで現場にいてもわからない(笑))
Step 5:ポートフォリオ・実績をまとめよう
Webディレクターは「自分がどんなプロジェクトを動かせるのか」を示すことが大切。
以下のような形でポートフォリオを作ると効果的です。
セクション | 内容 |
---|---|
概要 | プロジェクトの目的・ターゲット・課題 |
担当範囲 | 企画/構成/スケジュール管理/SEO施策など |
成果 | アクセス数・CVR・離脱率改善などの数字 |
使用ツール | Figma・Notion・WordPress・GA4 など |
ここ(ポートフォリオ)が独学での最難関だと思います。
まずは何を書いていいかわからない。
各項目を知っても実績がない。
実績の代わりに何を書くかが見えてこない。
これ作るためだけにスクール行ってもいいと思っています、個人的には。
ほかの記事で書きましたが、未経験と書いてあるものの大半は(スクール卒の)未経験を指します。
特に現場はそうですね。
Webディレクターはちゃんとしたスクールなら半年ぐらいの勉強で目指せますよ、しかも即戦力で。
💬 一言コラム:未経験OK求人には「4つのタイプ」がある
Webディレクター求人には関係ないんですけど、一応デザイナーと両方で悩まれているかもしれない方のためにココにも書いておきます。
Webデザイナー未経験者向けの求人には、実は次の4つのパターンがあります。
同じ「未経験歓迎」でも、中身はまったく違うので要チェックです。
タイプ | 内容 | 注意点・チャンス |
---|---|---|
① 本気で新人を育てる会社 | 教育体制やメンター制度が整っており、時間をかけて育成する | 最も数は少ないが、ここに当たれば一気に伸びる |
② ベテランを雇う余裕がない会社 | 小規模で即戦力を雇えないため、若手や未経験者を採用 | 成長意欲があれば実践の場が多く、吸収力が試される |
③ デザイナー以外の雑務を任せる会社 | 制作進行や顧客対応など、“なんでも屋”ポジション | 学べる範囲は広いが、明確なキャリア設計が必要 |
④ 人の出入りが激しい会社 | 常に人手不足で「未経験OK」として募集 | 経験は積めるが、環境面に注意が必要(労働条件の確認を) |
🟣 ポイント:
「未経験歓迎=安心」ではなく、「なぜ未経験を採っているのか?」を見極めることが大切です。
Step 6:キャリアパスを考える

Webディレクターとして経験を積むと、次のような道も見えてきます。
- プロジェクトマネージャー(PM):大規模案件を統括
- クリエイティブディレクター:ブランド全体を統括
- マーケティングディレクター:戦略と数値改善に特化
- フリーランスWebディレクター:複数クライアントを担当
あなたの得意分野(デザイン/分析/戦略など)を軸に成長していけます。
3年で他業種とは比べ物にならないほどの年収の伸びを得ることも可能です。
(エンジニアのような伸び率はないですが、エンジニアのように常に最新知識を吸収する必要もないですし、あちらは未経験者に手厳しい環境なので、こちらをおススメしています。)
ちなみに、Web制作界隈のほうがエンジニアよりもテレワーク(在宅)率は高いです。
ディレクターもしかり。皆にしっかりと指示を飛ばせれば問題ないので。
(クライアントと会うときは出来れば出て行った方が良いですが、最近はZoomなどもありますし、そこは所属する会社の方針次第です。)
まとめ:未経験でも、“伝える力”があれば始められる
Webディレクションは、「人と人をつなぎ、目標をカタチにする仕事」です。
最初は専門知識がなくても、学ぶ意欲と調整力があれば十分スタートできます。
(最低限の知識は身に着けとかないと、後で自分が苦しみますが。まず、話についていけない( ´艸`))
あなたの「伝える力」や「気づく力」が、チームを導く原動力になります。
おススメのスクールはこの2つですかね。
どちらも給付金が使えるコースもありますし、ディレクション向きのコースもあります。
こちらは、Webディレクターコースというものがあります。Web担当者コースもありますので金銭的に行けるなーっと思った方を勉強すれば良いと思いますが、専門コースのほうが知識も技術も深いです。
値段的なことと、ディレクション的な話で言うと「Webデザイナー講座 在宅・副業コース」か、給付金使えないなら「Web担当者 養成講座」+「Webディレクター講座」が良いかと。マーケティング力も必要になるので。
他も検討したければこちらから。・・・なんだけど、ディレクション扱ってるとこって結構稀です。