目次
HTTPSとは?
URLの先頭にある「https://」は、サイトがSSL/TLS暗号化通信を導入していることを示します。
HTTP通信では、データが暗号化されずに送受信されるため、第三者が通信内容を盗み見たり改ざんしたりするリスクがあります。
一方、HTTPSではデータを暗号化し、安全に通信を行うことが可能です。
ChromeやEdgeなどの主要ブラウザでは、HTTPSが実装されていないページを開くと「保護されていません」という警告を表示します。
このため、セキュリティ面だけでなく、ユーザー体験(UX)の観点からもHTTPS化は必須となっています。
なぜSEOに影響するのか
Googleは公式に「HTTPSはランキングシグナルの一つである」と発表しています。
つまり、同条件のページが2つあった場合、HTTPS対応のページが優先的に上位表示されるということです。
🔗 Google 検索セントラル公式ブログ:Ranking signal for HTTPS
また、近年では単なる「暗号化」だけでなく、
- ユーザーの信頼性向上
- フィッシング対策
- データ保護規制(GDPR・改正個人情報保護法)への準拠
といった理由から、SEO以外の面でもHTTPSは標準となっています。
HTTPS化による主なメリット
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 通信の暗号化 | 第三者による盗聴・改ざんを防止。フォーム送信や決済データを安全に保護。 |
| ブラウザ警告の回避 | Chrome等で「保護されていない通信」と表示されなくなる。UX・信頼性が向上。 |
| 検索順位の微優遇 | Google公式がHTTPSをランキングシグナルとして使用。評価分散を防ぐ。 |
| ブランド信頼性の向上 | セキュリティに配慮している企業サイトとして安心感を与える。 |
| 将来的な技術対応 | HTTP/3、Service Worker、PWAなど、モダンWeb機能はHTTPSが前提。 |
実装時に気をつける4つのポイント
① HTTP→HTTPSへ301リダイレクト設定
HTTPとHTTPSは別ページとして扱われるため、被リンク評価が分散します。
そのため、旧URL(http)にアクセスがあった場合、自動でhttpsへ転送するよう301リダイレクトを設定します。
例:.htaccessでの設定(Apache)
RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} off
RewriteRule ^(.*)$ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [L,R=301]
これにより、評価(リンクポピュラリティ)を失わずに引き継げます。
② 内部リンク・画像リンクをHTTPSに修正
HTMLやCSS内のURLがhttpのままだと、混在コンテンツ(Mixed Content)と判定され警告が出ます。
サイト全体で https:// に統一しましょう。
WordPressの場合、「Better Search Replace」などのプラグインで一括置換が便利です。
③ canonicalタグのURLもHTTPSへ変更
正規化タグ <link rel=”canonical” href=”…”> がhttpのままになっていると、Googleが旧URLを正規扱いしてしまう可能性があります。
HTTPS化後は必ずcanonicalを正しいURLに変更しましょう。
<link rel="canonical" href="https://example.com/" />
④ Search ConsoleにHTTPS版を登録
Search Consoleはhttpとhttpsを別サイトとして管理します。
移行後は必ず「https://~」のプロパティを追加し、インデックス・クロール状況を確認しましょう。
また、同時にsitemap.xmlのURLもhttpsに更新しておくと安全です。
HTTPS導入の手順(簡易フロー)
- SSL証明書を取得(無料ならLet’s Encrypt、商用ならGeoTrust等)
- サーバー設定でHTTPS通信を有効化
- 301リダイレクト設定を追加
- 内部リンク・画像URL・canonicalを更新
- Search ConsoleとAnalyticsをhttpsに対応
- sitemap.xmlとrobots.txtを更新
- ページ全体のMixed Contentをチェック
よくある質問(FAQ)
Q. 無料SSL(Let’s Encrypt)でもSEO効果に差はありますか?
→ ありません。Googleは「証明書の発行元による順位差はない」と明言しています。
Q. HTTPのままでも検索表示される?
→ されますが、ブラウザ警告でユーザー離脱率が上がるため結果的にSEO評価が下がります。
Q. 常時SSLって何?
→ トップページだけでなく、すべてのページをHTTPS化すること。部分的対応では完全に効果が得られません。
まとめ:HTTPSは「SEO施策」ではなく「信頼の証」
- HTTPSは検索順位だけでなく、信頼性・安全性・ユーザー体験すべてに関わる要素。
- リダイレクト・内部リンク・canonicalの修正を忘れずに。
- 今後のWeb技術(HTTP/3, PWA, AMPなど)はHTTPS前提で動く。
🔹 “セキュリティ=ユーザーへのやさしさ”
Googleは、安心して使えるWebを評価します。
だからこそHTTPSは「上位表示のため」ではなく「信頼されるサイトのため」に欠かせません。
💡補足:おすすめチェックツール
| ツール名 | 用途 |
|---|---|
| SSL Server Test(Qualys SSL Labs) | サーバー設定・証明書の安全性チェック |
| Why No Padlock? | Mixed Content(混在コンテンツ)の検出 |
| Search Console URL検査ツール | HTTPSページのインデックス状況確認 |




