インターネット上でビジネスを展開する上で、「ユーザーがどのようにサイトを利用しているのか」を把握することは欠かせません。
どれだけ多くの人が訪問しても、そこで何をしているのか、どんな流れで離脱してしまうのかを知らなければ、改善策は見えてこないからです。
Googleが提供するアクセス解析ツール「Googleアナリティクス4(GA4)」は、ユーザーの行動を理解するための強力なプラットフォームです。
本記事では、GA4を使ってユーザーの行動を把握するための基本指標と、その活用方法をわかりやすく解説していきます。
目次
1. ユーザー行動を把握する意義とは?
まずはなぜ「ユーザー行動」を理解することが重要なのかを考えてみましょう。
1-1. 単なる「数」では不十分
サイトのアクセス数(PV数)が多いと一見うまくいっているように感じます。
しかし、その裏側をよく見ると、次のような落とし穴があります。
- すぐに離脱してしまうユーザーが大半
- コンバージョン(購入や問い合わせ)に至らない
- 一度きりの訪問で、リピーターが少ない
つまり「数」だけではサイトの本当の価値を測れないのです。
1-2. 行動の中に改善のヒントがある
ユーザーの行動を把握すると、次のような改善の糸口が見えてきます。
- どのページで多くのユーザーが離脱しているのか → サイト構成の見直し
- 新規ユーザーが多いか、リピーターが多いか → 集客戦略とリピート施策の強化
- 滞在時間やセッションの長さ → コンテンツの質や満足度の評価
このように、行動を知ることは「ユーザー視点でサイトを設計する第一歩」なのです。
2. GA4で確認できる主要な指標
GA4には多くのデータが存在しますが、ユーザーの行動を理解する上で特に重要なのは「ユーザー関連指標」と「セッション関連指標」です。ここでは、それぞれの意味を初心者にもわかりやすく説明します。
2-1. ユーザー関連指標
指標 | 説明 | 活用ポイント |
---|---|---|
アクティブユーザー数 | 実際にサイトやアプリを訪問し、行動を起こしたユーザー数。単にページを開いただけではなく、ある程度の滞在やイベントの発生があった人。 | サイトを「本当に利用している人」の数を把握できる。集客施策の成果を測る基準になる。 |
新規ユーザー数 | 初めてサイトに訪れたユーザーの数。 | 広告やSEOで新しい訪問者をどれだけ獲得できているかを確認できる。 |
リピーター数 | 2回以上訪問した既存ユーザーの数。 | サイトのファン化やリピート率を測定する重要な指標。 |
2-2. セッション関連指標
指標 | 説明 | 活用ポイント |
---|---|---|
セッション | ユーザーがサイトを訪問してから離脱するまでの一連の行動。30分間操作がなければ終了する。 | サイト利用の「ひとまとまりの流れ」を把握できる。 |
ユーザーあたりのセッション数 | 全セッション数 ÷ アクティブユーザー数。 | リピート訪問や、ユーザーが何度も利用する魅力を示す。 |
セッションのコンバージョン率 | コンバージョンに至ったセッション数 ÷ 全セッション数。 | サイトがどれだけ「成果」を生んでいるかを測定できる。 |
平均セッション継続時間 | ユーザーがサイトに滞在している平均時間。 | コンテンツの質やユーザーの関心度を測る目安になる。 |
3. 各指標をわかりやすく理解する
ここからは、各指標をさらに具体的に理解できるよう、身近な例を交えて説明します。
3-1. アクティブユーザー数
これは単なる訪問者数ではなく、サイト上で実際に行動を起こした人の数です。
例えば「カフェに入ってコーヒーを注文した人」はアクティブユーザーですが、「店の前を通り過ぎただけの人」は含まれません。
3-2. 新規ユーザーとリピーター
新規ユーザーは「初めてのお客さん」、リピーターは「常連客」に例えるとわかりやすいでしょう。
飲食店でも「新しいお客さんを増やすこと」と「リピーターを大切にすること」の両方が必要なように、ウェブサイトでもこの2つのバランスが重要です。
3-3. セッション
セッションは「一度のお店滞在」に近いイメージです。
店に入って注文して食事をして帰るまでが1セッション。
30分以上何も注文しなければ「もう帰った」とみなされるのと同じです。
3-4. 平均セッション継続時間
これは「お店にどれくらいの時間滞在していたか」を示します。
長く滞在するほど、料理を楽しんだり会話を楽しんでいる証拠であり、サイトの場合は「コンテンツが充実していて読む価値がある」と解釈できます。
4. 実際の分析に活かす流れ
GA4の指標をただ眺めているだけでは成果につながりません。
大切なのは、データをもとに「課題を見つけて改善する」ことです。
ステップ1:現状把握
まずは指標を見て、現状を数値化します。
例:「アクティブユーザーは月に2,000人、そのうち新規が1,500人、リピーターが500人」
ステップ2:課題発見
次に、その数値から課題を抽出します。
例:「新規ユーザーは多いが、リピーターが少ない → 一度訪問した人が再訪しにくい」
ステップ3:改善施策
課題に応じた具体的な改善を行います。
例:「リピーターを増やすために、会員登録やメルマガを促す」「サイトに再訪したくなる特集記事を用意する」
ステップ4:検証
施策を実行したら、再びGA4で数値を確認します。
改善の成果が出ているかをチェックし、次のアクションにつなげます。
5. よくある失敗と注意点
GA4でユーザー行動を把握するとき、初心者が陥りやすい失敗もあります。
- 数字だけを追ってしまう
「アクティブユーザーが増えた!」と喜んでも、コンバージョンが増えていなければ意味がありません。数字の背景を考えることが大切です。 - 1つの指標に頼りすぎる
平均セッション時間が長い=良いサイト、とは限りません。ユーザーが迷ってページをさまよっている可能性もあります。複数の指標を組み合わせて判断することが必要です。 - 改善を繰り返さない
データを見て終わりでは意味がありません。改善と検証を繰り返すことで、初めて成果につながります。
6. まとめ|GA4で「質の高い行動分析」を実現する
Googleアナリティクス4は、従来のアクセス解析よりも「ユーザー行動」に焦点を当てた仕組みになっています。
この記事で紹介した指標をおさらいすると
- アクティブユーザー数:実際に行動した人の数
- 新規ユーザー数とリピーター数:集客とリピートのバランス
- セッション関連指標:利用の流れや滞在の質を把握
- コンバージョン率:最終的な成果の測定
これらを意識すれば、単なる「アクセス解析」ではなく、ユーザーの行動心理に基づいた改善ができるようになります。
つまり、GA4を使いこなすことは「ユーザーを理解すること」であり、その理解が最終的に売上や成果につながるのです。
ここらへんをしっかりと学びたいならWebの大手でマーケティングを教えているところが手っ取り早い。
