「GA4では“離脱ページ”や“直帰率”が見られないの?」
「どのページでユーザーが離れているのか知りたい…」
そんな方に向けて、この記事ではGA4で離脱や直帰の代わりに見るべき指標と分析方法をわかりやすく解説します。
UA(ユニバーサルアナリティクス)時代に使っていた「離脱ページ」「直帰率」はGA4では削除されましたが、
代わりにより精度の高い“エンゲージメント指標”で同じ分析が可能です。
目次
🧭 この記事でわかること
- GA4で「離脱ページ」「直帰率」が見られなくなった理由
- 代わりに使うべき指標と見方
- 探索レポートで離脱ページを再現する方法
- 離脱データの活用・改善のコツ
1. 「離脱ページ」「直帰率」がGA4からなくなった理由
🔹 理由①:データ構造が「セッション中心 → イベント中心」に変わった
UAでは1回の訪問を“セッション”として集計していましたが、GA4では“イベント(行動)”をすべて記録する構造になっています。
👉 つまり、「1ページだけ見て離脱した」という概念が曖昧になったため、直帰率の定義が成立しなくなったのです。
🔹 理由②:「離脱=悪」ではないという考え方に変化
たとえば——
- 1ページで完結する記事を読んで満足して離脱
- 問い合わせページでフォームを送信して離脱
これらは「離脱」ですが、むしろ“成果”です。
GA4では「離脱=悪」とは限らないため、“関心を持ったかどうか”を測る方向に指標が変わりました。
2. 「直帰率」の代わりに見るべき指標
GA4では「直帰率」は廃止され、代わりにエンゲージメント率(Engagement Rate)が導入されています。
| 指標名 | 意味 | 高いほど良い? |
|---|---|---|
| 直帰率(UA) | 1ページだけ見て離脱した割合 | ❌(悪い) |
| エンゲージメント率(GA4) | “有効な訪問”の割合(10秒以上滞在 or 2ページ以上閲覧 or CV) | ✅(良い) |
💡つまり、エンゲージメント率が高い=直帰率が低いという見方ができます。
📍 エンゲージメント率の確認方法
- GA4管理画面 → 「レポート」
- 「エンゲージメント」 → 「ページとスクリーン」
- 指標を「エンゲージメント率」に変更
ここで、ページごとのエンゲージメント率を確認できます。
👉 数字が低いページは「内容が薄い」「導線が弱い」可能性あり。
3. 「離脱ページ」を再現する方法(探索レポート)
GA4にはUAのような「離脱ページ」レポートはありません。
代わりに、探索レポート(Path Exploration)で離脱ポイントを可視化できます。
🧭 手順①:探索レポートを開く
- GA4左メニュー → 「探索」
- テンプレートから「経路探索(Path Exploration)」を選択
🧭 手順②:「開始ポイント」ではなく「終了ポイント」を選ぶ
- デフォルトは「開始ポイント(どこから入ったか)」になっているので、上部のタブで「終了ポイント(どこで離脱したか)」に切り替え。
🧭 手順③:ページタイトルをディメンションに設定
- 「ページタイトル」や「ページパス」を選択してツリー表示。
- どのページで離脱しているか、割合で確認できます。
💡これでUAの「離脱ページ」レポートとほぼ同じ分析が可能!
4. 離脱・直帰データの活用方法
| 状況 | 分析の方向 | 改善のヒント |
|---|---|---|
| エンゲージメント率が低い | コンテンツが弱い | 見出し・画像・構成の改善 |
| 離脱が特定ページに集中 | 導線が切れている | 関連リンク・CTAを追加 |
| 直帰に見えるがCVあり | 成果ページで完結 | 問題なし(CV計測で判断) |
| すべてのページで低い | UX全体の問題 | 読了率・デザイン改善を検討 |
💡 GA4では「離脱率を下げる」よりも、「有効な滞在を増やす」意識が重要です。
5. 分析をさらに深めるなら
✅ ページ滞在時間 × 離脱ポイント
探索レポートで「平均エンゲージメント時間」と合わせて見ると、「滞在は長いのに離脱する=行動喚起が弱い」などの仮説が立てられます。
✅ 流入チャネル × 離脱ページ
「SNS経由では途中離脱が多い」など、流入別の分析も有効。
→ 改善施策(LP最適化、訴求強化)につなげられます。
6. GA4での“離脱分析”まとめ表
| 目的 | UAでの方法 | GA4での方法 | 代替指標 |
|---|---|---|---|
| 直帰率を見る | 行動 → サイトコンテンツ → すべてのページ | エンゲージメント率 | engagement_rate |
| 離脱ページを見る | 行動 → 離脱ページ | 探索レポート(終了ポイント分析) | exit event |
| 滞在の質を確認 | ページ滞在時間 | 平均エンゲージメント時間 | avg_engagement_time |
💡GA4では「離脱・直帰」という“ネガティブ分析”よりも、「どこに関心を持たれているか」という“ポジティブ分析”が主流になっています。
7. 改善アクションの考え方
| 状況 | 施策例 |
|---|---|
| エンゲージメント率が低いページ | 内容をリライト・構成見直し |
| 離脱ポイントが特定の箇所 | CTA・リンク導線を追加 |
| CVページで離脱 | 計測問題でなければOK |
| 全体的に低い | ファーストビューやUX設計を改善 |
離脱は悪ではなく、「改善のヒント」。
GA4の離脱分析は“ユーザー体験を見直す鏡”として活用しましょう。


