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はじめに:JavaScriptは“ひとつの宇宙”だった?
JavaScriptを学び始めると、すぐに出てくる言葉――「オブジェクト」。
でも、これがいったい何を指しているのか、最初はピンとこない人が多いはずです。
「配列もオブジェクト?関数もオブジェクト?ブラウザもオブジェクト?」
はい、実はその通りなんです。
JavaScriptの世界はすべて“オブジェクト”でできていて、それぞれが異なる役割をもつ「世界」のように存在しています。
この導入ページでは、その**3つの世界(層)**を地図のように整理してご紹介します。
これを読めば、JavaScriptがどういう構造で動いているのかが、スッと頭に入るはずです。
🪐 JavaScriptの世界は3つの“層”でできている
JavaScriptを大きく見ると、次の3つの領域に分かれています。
| 層 | 名前 | 役割 | 
|---|---|---|
| ① | 組み込みオブジェクト(Built-in Object) | JavaScriptに最初から備わっている基本機能 | 
| ② | ブラウザオブジェクト(Browser Object Model / BOM) | ブラウザそのものを操作するための機能 | 
| ③ | DOMオブジェクト(Document Object Model) | HTMLを直接触って画面を動かす機能 | 
① 組み込みオブジェクトの世界 ―― JavaScriptの“道具箱”
まず最初に知っておきたいのが、言語の内部に最初から組み込まれているオブジェクトたちです。
例えばこんなものが代表です👇
Math:数値計算を助ける道具箱Date:日付や時刻を扱うString:文字列を操作するArray:データをまとめるリストObject:すべての基本になる型
console.log(Math.floor(Math.random() * 10)); // 0〜9の乱数
console.log(new Date().getFullYear());       // 現在の年
console.log("hello".toUpperCase());          // "HELLO"
これらはJavaScriptそのものの機能であり、ブラウザがなくても動作します。
いわば「言語の骨格を支える道具箱」なのです。
② ブラウザオブジェクトの世界 ―― JavaScriptが“外の世界”とつながる窓
2つ目の世界は、ブラウザの情報や機能を操作するためのオブジェクト群です。
「Browser Object Model(BOM)」と呼ばれます。
JavaScriptがブラウザ上で動くとき、
ブラウザ自体を表す window を中心に、次のような仲間たちが使えます👇
| オブジェクト | できること | 
|---|---|
window | すべての親。アラートやタイマーなどの入口 | 
navigator | ブラウザやOSの情報を取得 | 
screen | 画面の幅や高さを取得 | 
history | 戻る・進むボタンを制御 | 
location | URLの取得・変更 | 
alert("ようこそJavaScriptの世界へ!");
console.log(navigator.userAgent);
console.log(location.href);
つまりこの層は、「JavaScriptがブラウザという外界と会話できるようにする世界」です。
③ DOMの世界 ―― HTMLを動かす“現実のステージ”
最後にたどり着くのが、Webページを実際に動かす世界です。
「Document Object Model(DOM)」は、HTMLを“オブジェクトの木”として扱う仕組み。
たとえばHTMLの見出しをJavaScriptで書き換えることも簡単です👇
const title = document.getElementById("main-title");
title.textContent = "ようこそ、DOMの世界へ!";
documentはページ全体を表すオブジェクト- HTMLの要素(タグ)は「ノード」として管理されている
 - それを取得・変更・追加・削除するのがDOM操作
 
💡 JavaScriptの力が“見える形”で発揮されるのがこの層です。
3つの世界は、すべて「オブジェクト」でつながっている
これら3つの世界は、すべて「オブジェクト」という共通のルールでできています。
実際に確かめてみると、すべて「object」として認識されます👇
console.log(typeof Math);      // "object"(組み込みオブジェクト)
console.log(typeof window);    // "object"(ブラウザオブジェクト)
console.log(typeof document);  // "object"(DOMオブジェクト)
つまりJavaScriptは「オブジェクトが連鎖して世界を作っている言語」なのです。
この構造を理解すると、コードの“つながり”がぐっと見えてきます。
JavaScriptの世界地図
🌍 組み込みオブジェクトが「基礎」
🧭 ブラウザオブジェクトが「環境」
🏗 DOMが「表現」
この3つを理解すれば、あなたはJavaScriptの世界を“自在に旅できるエンジニア”になります。
これからの学びのステップ
次は、3つの世界をそれぞれ詳しく見ていきましょう。
あなたの学びをサポートする記事を用意しています👇
| 次に読む記事 | 内容 | 難易度 | 
|---|---|---|
| JavaScript組み込みオブジェクト入門 | 言語の基礎を支える標準オブジェクト | ⭐ | 
| ブラウザオブジェクトとは? | JavaScriptがブラウザを操作する仕組み | ⭐⭐ | 
| DOM操作入門 | HTMLを動かすための実践的オブジェクト | ⭐⭐⭐ | 
まとめ
JavaScriptは、3つのオブジェクト世界で構成された“生きた宇宙”のような言語です。
まずはこの「世界地図」を頭に描いておくことで、
新しい概念やメソッドを学ぶときにも、「あ、これはどの世界の話だな」と整理しやすくなります。
では次は――
👉 JavaScript組み込みオブジェクトの世界へ旅立とう! 🌱

	
