Webサイトを作るうえで欠かせないのが「導線設計(どうせんせっけい)」です。
これは“ユーザーを目的の行動へ自然に導くための設計図”のようなもの。
この記事では、初めて学ぶ方にもわかるように、導線設計の基本から関連用語までやさしく解説していきます。
目次
導線設計には「広義」と「狭義」がある
Webマーケティングにおける導線設計には、実は2つの意味があります。
| 分類 | 内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| 広義の導線設計 | Webサイト外も含めた「販売戦略全体」の導線 | チラシ → 店舗訪問、広告 → サイト来訪 など |
| 狭義の導線設計 | Webサイト内でユーザーを行動に導くための設計 | 「問い合わせボタン」や「購入ボタン」の配置など |
つまり、広義は“集客から購入・再訪まで”の戦略設計、狭義は“サイト内部の動線づくり”を意味します。
たとえば、サイトに訪れたユーザーが「問い合わせフォームが見つからない」と迷ってしまえば、せっかくのチャンスを逃すことになります。
このような“離脱”を防ぐために導線設計が必要なのです。
導線設計に関わる重要なキーワード
ここからは、導線設計を理解するうえで押さえておきたい用語を紹介します。
タッチポイント(接点)
ユーザーがあなたの会社やブランドと“初めて接触する瞬間”を指します。
広告・SNS・口コミ・イベントなど、オンライン・オフライン問わずすべてがタッチポイントです。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| オンライン | 検索結果・Web広告・SNS投稿・YouTube・記事掲載など |
| オフライン | チラシ・看板・展示会・テレビCMなど |
動線(ユーザーの実際の行動)
設計した「導線」に対して、ユーザーが実際にたどったルートを指します。
これはデータとして分析し、改善点を見つけるために使われます。
KPI(中間目標)
最終目標(KGI)に対して、進捗を測るための中間的な指標です。
導線の各ポイントにKPIを設定すると、「どこで離脱しているか」「何が成果につながっているか」を明確にできます。
リード(見込み顧客)
「将来的に商品を購入する可能性がある人」のこと。
会員登録や問い合わせフォームを通じて情報を提供してくれたユーザーをリードと呼びます。
複数のリードをまとめたものは「リスト」と言います。
リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)
潜在的な顧客をリード化するための施策です。
Web広告・オウンドメディア・SNS・セミナーなど、オンライン/オフラインを問わず活用されます。
リードマグネット(無料オファー)
ユーザーが会員登録や資料請求をする動機(インセンティブ)となる無料コンテンツです。
例:無料eBook、チェックリスト、限定動画、診断コンテンツなど。
リード獲得に欠かせない要素です。
リードナーチャリング(見込み顧客の育成)
一度接触したリードに対して、継続的に価値ある情報を届け、信頼を深めていく活動です。
メルマガ・LINE配信・SNSなどで「繋がりを維持する」ことが重要になります。
リード育成に役立つ手法
| 用語 | 意味・特徴 |
|---|---|
| ステップ配信(ステップメール) | 登録日を起点に、あらかじめ決めた順番でメールやLINEを自動配信する仕組み。ユーザーごとに最適なタイミングで情報を届けられる。 |
| クロスメディア戦略 | TV・SNS・Webサイト・DMなど複数チャネルを組み合わせて相乗効果を狙うマーケティング手法。 |
| フロントエンド商品/バックエンド商品 | 集客用の低価格商品(フロント)で信頼を得て、本命商品の購入(バックエンド)につなげる販売構造。 |
心理的アプローチの基礎知識
導線設計は“人の心理”を理解することで、より効果的になります。
| 用語 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ザイオンス効果(単純接触効果) | 同じ情報や人物に繰り返し触れることで好感度が上がる心理効果。 | ネガティブ印象を与えると逆効果になるため、自然で好感の持てる接触が大切。 |
| 返報性の原理 | 「もらったら返したくなる」という心理。 | 無料オファーや有益情報の発信が信頼構築につながる。 |
✔︎ まとめ:導線設計のポイント
- 広義では「集客から購入・再訪」までの販売導線
- 狭義では「Webサイト内の行動設計」
- タッチポイントを意識し、ユーザーが迷わない流れを作る
- リード獲得・育成を通じて信頼関係を構築する
- 心理効果を理解し、自然な流れで行動を促す
よくある質問(Q&A)
Q1. 導線設計を学ぶのにおすすめの分野は?
A. Webマーケティング全般、UXデザイン、行動心理学を並行して学ぶのがおすすめです。
Q2. 初心者が最初にやるべきことは?
A. まずは自社サイトの「ユーザーが迷いそうな箇所」を洗い出し、改善の仮説を立ててみましょう。
Q3. 無料オファーの作り方は?
A. 「登録すれば得をする」と感じてもらえる内容を意識してください。チェックリストやPDF資料などが人気です。
このように導線設計は、単なるページ遷移の工夫ではなく、ユーザーとの信頼構築から成約までをつなぐストーリー設計そのものです。
一歩ずつ理解を深めながら、効果的なマーケティングの基盤を作っていきましょう。




