目次
はじめに
Webサイトを運営していると、「もっとアクセスを増やしたい」「問い合わせや購入数を増やしたい」と考えるものです。そのためには、ただ記事やページを作るだけでなく、アクセス解析ツールでデータを読み取り、改善に活かすことが重要になります。
この記事では、GoogleアナリティクスやSearch Consoleなどでよく使われる主要な指標の意味と見方、計算式、改善のヒントを、できるだけやさしく解説します。
「数字や計算は苦手…」という方でも大丈夫。日常的な例を交えて説明しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. アクセス解析の目的を知ろう
アクセス解析の目的は、単に「数字を眺めること」ではありません。大切なのは次の3つです。
- 現状把握:今どれくらいの人が訪問しているのかを知る
- 課題発見:どこでユーザーが離脱しているのかを見つける
- 改善施策の立案:データを根拠に改善案を考える
ポイント
数字は“結果”であって“原因”ではありません。数字から「なぜそうなったのか?」を考えるクセをつけましょう。
2. 基本指標の見方と計算式
ここからは、アクセス解析でよく出てくる基本的な指標を、一つずつ解説します。
2-1. セッション数(訪問数)
意味:サイトに訪問された回数。
注意!同じ人が1日に2回アクセスすれば「2セッション」とカウントされます。
計算式:
セッション数はツールが自動計測するため手計算不要ですが、考え方は以下の通りです。
セッション数 = サイトに訪問した回数の合計
改善のヒント
- SNSや広告からの流入を増やす
- SEO対策で検索経由の訪問を増やす
2-2. ユーザー数(訪問者数)
意味:サイトを訪れた“人”の数。同じ人が複数回来ても1ユーザーとしてカウントされます。
注意!正確にはブラウザ単位のカウントなので、スマホとPCでアクセスすれば別ユーザーとみなされます。
計算式:
ユーザー数 = サイトを訪れた訪問者数
改善のヒント
- 新規ユーザーを増やすため、他メディアやSNSで露出を増やす
- 再訪問率を上げるために、メールマガジンやSNSフォロー導線を用意
2-3. ページビュー(PV)数
意味:サイト内のページが表示された回数。
注意!1人が5ページ見れば「5PV」とカウントされます。
計算式:
PV数 = ページが表示された回数の合計
改善のヒント
- 関連記事リンクを設置し、回遊を促す
- 「次に読むべきページ」への誘導を明確にする
2-4. 平均ページ滞在時間
意味:1ページあたり、ユーザーがどれくらい時間をかけて閲覧したかの平均。
計算式:
平均ページ滞在時間(秒)= 各ページの閲覧時間合計 ÷ ページビュー数
改善のヒント
- 読みやすい文章構成にする
- 画像や動画で滞在時間を延ばす
2-5. 直帰率
意味:1ページだけ見てサイトを離れたユーザーの割合。
ポイント!直帰率が高い場合、「期待した情報がなかった」「使いづらかった」可能性があります。
計算式:
直帰率(%)= (1ページのみ閲覧して離脱したセッション数 ÷ 全セッション数) × 100
改善のヒント
- ページ冒頭で結論を提示
- 内部リンクで他ページへ誘導
- スマホでの見やすさを最適化
2-6. コンバージョン率(CVR)
意味:サイト訪問者のうち、目標(購入・問い合わせ・登録など)を達成した人の割合。
計算式:
CVR(%)= (コンバージョン数 ÷ セッション数) × 100
改善のヒント
- CTA(Call To Action)を目立つ場所に配置
- 入力フォームを簡略化
- 商品説明やサービス概要をわかりやすくする
2-7. 離脱率
意味:そのページを最後にしてサイトを離れた割合。
ポイント!直帰率との違いは「そのページに来たのが最初かどうか」です。
計算式:
離脱率(%)= (そのページから離脱した回数 ÷ そのページのPV数) × 100
改善のヒント
- 他ページへのリンクを増やす
- 次の行動がわかる導線を設置
3. 流入元別の分析も大切
アクセス解析では、「どこから来たユーザーか」を分析することも重要です。
主な流入元は以下の通りです。
Organic Search(自然検索) | GoogleやYahoo!などの検索結果から |
Direct(直接) | URLを直接入力、ブックマークなど |
Referral(他サイト経由) | ブログやニュースサイトからのリンク |
Social(SNS) | X(旧Twitter)、Instagram、Facebookなど |
Paid Search(広告) | Google広告やSNS広告から |
流入元の割合を見れば、どの施策が効果的かがわかります。
4. 指標を改善するための3つのステップ
- 現状を数値化
例:「直帰率70%」「平均滞在時間30秒」 - 原因を仮説立て
例:「記事冒頭が長くて結論が遅い」「スマホで見づらい」 - 改善施策を実行&再計測
例:「見出しに結論を入れる」「モバイルレイアウトを改善」
このPDCAを繰り返すことで、アクセス解析の数字は少しずつ良くなります。
5. 初心者がやりがちな失敗
- 数字だけを見て「悪い」と判断する
→ 季節要因やキャンペーン有無なども考慮しましょう。 - 1つの指標だけで判断する
→ 直帰率だけでなく、滞在時間やCVRもあわせて分析。 - 改善前後の条件が違う
→ 比較するなら同じ期間や条件で。
まとめ
アクセス解析ツールの数字は、単なる「報告用のデータ」ではなく、改善のためのヒントの宝庫です。
今回紹介した指標と計算式を覚えておけば、
- なぜアクセスが減ったのか
- どのページが人気なのか
- どの経路から来た人がコンバージョンしやすいのか
といったことが見えてきます。
あとは、データを見ながら「次にどんな施策を試すか」を考え、実行するだけです。
アクセス解析は数字を追うだけでなく、ユーザーの行動を理解するツールだということを忘れずに、日々の運営に活かしていきましょう。
