「GA4の“イベント”っていったい何を指すの?」
「設定すべきイベントが多すぎて、どこから手をつけていいかわからない…」
そんな方に向けて、この記事ではGA4で成果につながるイベント設計の考え方と具体例をわかりやすく解説します。
イベントを正しく設計すれば、GA4は「見るだけのツール」から「改善につながる分析基盤」に進化します。
まずは“何を測るべきか”を整理しましょう。
目次
🧭 この記事でわかること
- GA4におけるイベントの基本構造
- 成果につながるイベント設計の考え方
- クリック・スクロール・フォーム送信など主要イベント例
- 設計時に注意すべきポイント
1. そもそもGA4の「イベント」とは?
GA4では、ユーザーのすべての行動をイベント(Event)として記録します。
つまり「ページを見る」「クリックする」「動画を見る」など、行動の最小単位です。
| イベント例 | 意味 |
|---|---|
page_view | ページを表示した |
scroll | ページを下までスクロールした |
click | ボタン・リンクをクリックした |
form_submit | フォームを送信した |
purchase | 商品を購入した |
💡 UAでは「ページビュー」が中心でしたが、GA4では「行動=イベント」としてすべてを記録できるのが最大の特徴です。
2. イベントの4分類を理解しよう
GA4のイベントは大きく4種類に分類されます👇
| 種類 | 内容 | 設定方法 |
|---|---|---|
| 自動収集イベント | GA4が自動で取得する基本データ | 例:page_view, session_start |
| 拡張計測イベント | スクロールや動画再生など自動追加される行動 | 設定でONにするだけ |
| 推奨イベント | Googleが推奨する標準イベント(ECサイトなど) | マニュアル設定 |
| カスタムイベント | 自社サイト専用に設計する独自イベント | GTMなどで設定 |
💡 初心者はまず「自動収集」+「拡張計測」からスタートでOK。
次に「推奨」「カスタム」へステップアップします。
3. イベント設計の基本フレーム
イベントを設計するときは、以下の3ステップを意識すると失敗しません👇
🟢 STEP①:目的を明確にする
例:「問い合わせを増やしたい」「商品ページの滞在を改善したい」
目的を決めずにイベントを増やすと、「データは取れてるけど使えない」状態になります。
🟡 STEP②:目的に対する“行動”を定義する
例:「ボタンをクリックした」「フォームを送信した」
ユーザーが目的達成のために取る行動を洗い出します。
| 目的 | 計測すべき行動(イベント) |
|---|---|
| 問い合わせを増やす | click_contact, form_submit |
| 資料ダウンロードを促す | click_download, file_open |
| 商品購入を増やす | add_to_cart, purchase |
🔵 STEP③:イベント名+パラメータを整理する
「どんなイベントを、どんな条件で発火させるか」
| 項目 | 例 | 説明 |
|---|---|---|
| イベント名 | click_contact | クリック系(動詞+目的) |
| パラメータ | button_text, page_title | クリックされた要素やページ情報 |
| トリガー条件 | 「/contact」に含まれるURL | GTM側で設定 |
💡 命名ルールは統一すること(例:click_●●、form_●●など)で混乱を防げます。
4. よく使われるイベントの具体例
📌 ページ滞在・閲覧
| イベント名 | 内容 | 活用例 |
|---|---|---|
page_view | ページ閲覧 | ページ別アクセス分析 |
scroll | ページ下部まで閲覧 | 読了率の把握 |
view_promotion | バナー・広告閲覧 | LP上部の効果検証 |
📌 クリック・操作
| イベント名 | 内容 | 活用例 |
|---|---|---|
click_contact | 問い合わせボタン | CV導線の分析 |
click_tel | 電話リンク | スマホからのコンバージョン測定 |
click_download | 資料DLリンク | コンテンツ施策の効果測定 |
📌 フォーム・送信
| イベント名 | 内容 | 活用例 |
|---|---|---|
form_submit | フォーム送信完了 | 問い合わせCV計測 |
form_error | 入力エラー | UI改善ポイント発見 |
📌 メディア再生
| イベント名 | 内容 | 活用例 |
|---|---|---|
video_start | 動画再生開始 | 視聴率測定 |
video_progress | 50%再生など | 離脱ポイント把握 |
video_complete | 再生完了 | コンテンツ効果確認 |
📌 購入・EC関連
| イベント名 | 内容 | 活用例 |
|---|---|---|
view_item | 商品詳細閲覧 | 商品別人気分析 |
add_to_cart | カート追加 | 購買意欲計測 |
purchase | 購入完了 | 売上分析・CV計測 |
5. イベント設計のよくある失敗例
| 失敗パターン | 問題点 | 対策 |
|---|---|---|
| イベントを大量に設定 | データが整理できず分析不能 | 目的ごとに絞る(最大20〜30個) |
| イベント名がバラバラ | 比較できない | 命名ルールを統一 |
| CVとイベントを混同 | “成果”と“行動”がごちゃまぜ | コンバージョン設定は別管理 |
| GTM側で条件が重複 | 二重計測になる | プレビューで発火条件を確認 |
💡イベントは「多さ」ではなく「使いやすさ」で設計するのがコツです。
6. 実務で使えるイベント設計テンプレート
| No | 目的 | イベント名 | トリガー | パラメータ例 | コンバージョン設定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 問い合わせ送信 | form_submit | /contact 含むURL | page_title | ✅ |
| 2 | 資料DLクリック | click_download | .pdf 含むリンク | file_name | ✅ |
| 3 | 電話発信 | click_tel | tel: 含むリンク | device_type | ✅ |
| 4 | LPボタン押下 | click_cta | /lp/ 配下のCTA | button_text | ❌ |
| 5 | スクロール完了 | scroll_depth | 75%以上スクロール | scroll_percent | ❌ |
7. イベント設計の最適化ポイント
| ポイント | 解説 |
|---|---|
| ① 命名を統一する | 小文字+アンダースコア(例:click_cta) |
| ② 目的別で分類する | 「行動イベント」「成果イベント」に分ける |
| ③ 定期的に整理する | 月1回の棚卸しで不要なイベントを削除 |
| ④ コンバージョンとの整合性を取る | 重要イベントのみCVに昇格 |
8. まとめ|イベント設計は「行動の見える化」設計図
| ステップ | 内容 | 成果 |
|---|---|---|
| ① 目的を決める | 何を達成したいか | 分析がブレない |
| ② 行動を定義 | どんなアクションを計測するか | 必要データだけを取得 |
| ③ 命名と整理 | 一貫性をもたせる | 分析がスムーズ |
| ④ 改善へ活用 | データを施策に変える | CVR・UX向上 |
GA4のイベント設計は、「データを集める設計」ではなく、「成果を出すための設計」です。



