【第14回】GA4で成果を最大化する「イベント設計」の考え方|何を・どう計測すべきか

3 min 58 views
【第14回】GA4で成果を最大化する「イベント設計」の考え方

「GA4の“イベント”っていったい何を指すの?」
「設定すべきイベントが多すぎて、どこから手をつけていいかわからない…」

そんな方に向けて、この記事ではGA4で成果につながるイベント設計の考え方と具体例をわかりやすく解説します。

イベントを正しく設計すれば、GA4は「見るだけのツール」から「改善につながる分析基盤」に進化します。


まずは“何を測るべきか”を整理しましょう。

🧭 この記事でわかること

  • GA4におけるイベントの基本構造
  • 成果につながるイベント設計の考え方
  • クリック・スクロール・フォーム送信など主要イベント例
  • 設計時に注意すべきポイント

1. そもそもGA4の「イベント」とは?

GA4では、ユーザーのすべての行動をイベント(Event)として記録します。
つまり「ページを見る」「クリックする」「動画を見る」など、行動の最小単位です。

イベント例意味
page_viewページを表示した
scrollページを下までスクロールした
clickボタン・リンクをクリックした
form_submitフォームを送信した
purchase商品を購入した

💡 UAでは「ページビュー」が中心でしたが、GA4では「行動=イベント」としてすべてを記録できるのが最大の特徴です。

2. イベントの4分類を理解しよう

GA4のイベントは大きく4種類に分類されます👇

種類内容設定方法
自動収集イベントGA4が自動で取得する基本データ例:page_view, session_start
拡張計測イベントスクロールや動画再生など自動追加される行動設定でONにするだけ
推奨イベントGoogleが推奨する標準イベント(ECサイトなど)マニュアル設定
カスタムイベント自社サイト専用に設計する独自イベントGTMなどで設定

💡 初心者はまず「自動収集」+「拡張計測」からスタートでOK。
次に「推奨」「カスタム」へステップアップします。

3. イベント設計の基本フレーム

イベントを設計するときは、以下の3ステップを意識すると失敗しません👇

🟢 STEP①:目的を明確にする

例:「問い合わせを増やしたい」「商品ページの滞在を改善したい」

目的を決めずにイベントを増やすと、「データは取れてるけど使えない」状態になります。

🟡 STEP②:目的に対する“行動”を定義する

例:「ボタンをクリックした」「フォームを送信した」

ユーザーが目的達成のために取る行動を洗い出します。

目的計測すべき行動(イベント)
問い合わせを増やすclick_contact, form_submit
資料ダウンロードを促すclick_download, file_open
商品購入を増やすadd_to_cart, purchase

🔵 STEP③:イベント名+パラメータを整理する

「どんなイベントを、どんな条件で発火させるか」

項目説明
イベント名click_contactクリック系(動詞+目的)
パラメータbutton_text, page_titleクリックされた要素やページ情報
トリガー条件「/contact」に含まれるURLGTM側で設定

💡 命名ルールは統一すること(例:click_●●form_●●など)で混乱を防げます。

4. よく使われるイベントの具体例

📌 ページ滞在・閲覧

イベント名内容活用例
page_viewページ閲覧ページ別アクセス分析
scrollページ下部まで閲覧読了率の把握
view_promotionバナー・広告閲覧LP上部の効果検証

📌 クリック・操作

イベント名内容活用例
click_contact問い合わせボタンCV導線の分析
click_tel電話リンクスマホからのコンバージョン測定
click_download資料DLリンクコンテンツ施策の効果測定

📌 フォーム・送信

イベント名内容活用例
form_submitフォーム送信完了問い合わせCV計測
form_error入力エラーUI改善ポイント発見

📌 メディア再生

イベント名内容活用例
video_start動画再生開始視聴率測定
video_progress50%再生など離脱ポイント把握
video_complete再生完了コンテンツ効果確認

📌 購入・EC関連

イベント名内容活用例
view_item商品詳細閲覧商品別人気分析
add_to_cartカート追加購買意欲計測
purchase購入完了売上分析・CV計測

5. イベント設計のよくある失敗例

失敗パターン問題点対策
イベントを大量に設定データが整理できず分析不能目的ごとに絞る(最大20〜30個)
イベント名がバラバラ比較できない命名ルールを統一
CVとイベントを混同“成果”と“行動”がごちゃまぜコンバージョン設定は別管理
GTM側で条件が重複二重計測になるプレビューで発火条件を確認

💡イベントは「多さ」ではなく「使いやすさ」で設計するのがコツです。

6. 実務で使えるイベント設計テンプレート

No目的イベント名トリガーパラメータ例コンバージョン設定
1問い合わせ送信form_submit/contact 含むURLpage_title
2資料DLクリックclick_download.pdf 含むリンクfile_name
3電話発信click_teltel: 含むリンクdevice_type
4LPボタン押下click_cta/lp/ 配下のCTAbutton_text
5スクロール完了scroll_depth75%以上スクロールscroll_percent

7. イベント設計の最適化ポイント

ポイント解説
① 命名を統一する小文字+アンダースコア(例:click_cta
② 目的別で分類する「行動イベント」「成果イベント」に分ける
③ 定期的に整理する月1回の棚卸しで不要なイベントを削除
④ コンバージョンとの整合性を取る重要イベントのみCVに昇格

8. まとめ|イベント設計は「行動の見える化」設計図

ステップ内容成果
① 目的を決める何を達成したいか分析がブレない
② 行動を定義どんなアクションを計測するか必要データだけを取得
③ 命名と整理一貫性をもたせる分析がスムーズ
④ 改善へ活用データを施策に変えるCVR・UX向上

GA4のイベント設計は、「データを集める設計」ではなく、「成果を出すための設計」です。

関連記事