【第15回】GA4で「効果が出るレポート」を作るコツ|分析に強い人の考え方

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【第15回】GA4で「効果が出るレポート」を作るコツ|分析に強い人の考え方

「GA4のレポート、見方はわかるけど“どう使えばいいのか”わからない」

「上司に報告しても、“それで何がわかるの?”と聞かれてしまう…」

この記事では、そんな悩みを解消するために、“数字を見るだけで終わらせない”レポート設計の考え方と実践方法をわかりやすく解説します。

GA4のレポートは、「結果」ではなく「気づき」を生み出すことが目的。


「見る→理解→行動」までつなげられる構成が“効果が出るレポート”の鍵です。

🧭 この記事でわかること

  • GA4レポートの基本構造と活用ポイント
  • 効果が出るレポート設計の3ステップ
  • よくある悪いレポート例と改善例
  • 成果につながるデータの読み方

1. 「レポートを見る」と「分析する」は違う

GA4を開いて数字を確認しても、「見ただけ」では何も変わりません。

レベル状態説明
🔰 確認レベル数字を眺めて終わり「ユーザー数が増えたな」
⚙️ 分析レベル数字の背景を理解「なぜ増えた?どこから来た?」
🚀 改善レベル数字から行動を決める「次は広告をこの層に出そう」

💡GA4レポートのゴールは「行動を決める」こと。
つまり、“レポート=意思決定ツール”と捉えることが大切です。

2. GA4で見るべき3大レポートカテゴリ

 ① 集客(Acquisition)

どこからユーザーが来たのか。

  • トラフィック獲得レポート
  • 自然検索/SNS/広告別の比較
  • CVにつながるチャネルの特定

💡「アクセス数」ではなく「質の高い流入」を見ることが重要。

 ② エンゲージメント(Engagement)

ユーザーがどのページで、どのように行動したか

  • ページとスクリーン
  • イベント発生状況(クリック・動画再生など)
  • エンゲージメント率/平均滞在時間

💡「どのページで滞在し、どこで離脱したか」を把握すると、UX改善につながるデータが見えてきます。

 ③ コンバージョン(Conversion)

成果を生むページ・行動はどこか。

  • CV数・CVR
  • コンバージョンイベントごとの推移
  • イベントごとのユーザー経路分析

💡「CVが多いページ」よりも、「CVまでの経路」に注目するのがポイント。

3. 効果が出るレポート設計の3ステップ

🟢 STEP1:目的を決める

「このレポートで、何を判断したいのか?」

  • 例1:SEO流入が増えている理由を知りたい
  • 例2:LPの離脱率を改善したい
  • 例3:広告の費用対効果を確認したい

💡目的を決めずにレポートを作ると、「データはあるけど、結論が出ない」状態になります。

🟡 STEP2:KPIとKGIを整理する

目的KPI(中間目標)KGI(最終成果)
問い合わせを増やすフォーム遷移率フォーム送信数
EC売上を伸ばすカート追加率購入金額
認知拡大ページ閲覧数新規ユーザー数

💡KPIは「途中経過」、KGIは「ゴール」。
GA4ではKPIをイベント化して可視化します。

🔵 STEP3:ストーリー構成で見せる

“数字を並べる”のではなく、“ストーリーで伝える”

構成内容
① 現状先月との比較・トレンド「自然検索が+20%」
② 理由どのページ/チャネルが伸びたか「SEO流入の7割が記事X」
③ 対応次のアクション「関連記事を3本追加予定」

💡データ→原因→行動の流れを意識すると、レポートが“報告”から“提案”に変わります。

4. 悪いレポート vs 良いレポート

項目悪い例良い例
目的何となく毎月作っている「LP改善のための分析」
数字GA4の全データを並べるKPI・KGIに絞る
グラフ量が多くて伝わらないポイントに絞って視覚化
コメントなし「次の施策」に触れる

💡“報告書”ではなく“改善提案書”として設計する意識を持ちましょう。

5. 効果を高めるレポート構成テンプレート

セクション内容ツール例
① サマリー(結論)今月の成果・課題を一言でLooker Studio or スライド
② KPIトレンドCV・流入数・滞在率などの推移GA4ダッシュボード
③ ページ分析上位ページ・離脱率・エンゲージメントページとスクリーンレポート
④ 流入経路分析チャネル別の効果トラフィック獲得レポート
⑤ 改善施策メモ次月の仮説とアクションスプレッドシート共有

💡レポートの“最後”に「次の行動」を書くことで、データが“終わり”ではなく“始まり”になります。

6. データの“見せ方”で印象が変わる

🔹 見せ方のコツ

  • グラフは1スライド1メッセージ
  • 増減は「%」よりも「実数+理由」で伝える
  • 色は「青=安定」「赤=課題」で統一

🔹 悪い例

「ユーザー数が3,000人に増えました。」

🔹 良い例

「ユーザー数が3,000人(+25%)。そのうち自然検索が+40%増。SEO改善が奏功。」

💡「なぜ増えたか」を一言添えるだけで、“数字が語る”レポートになります。

7. GA4で効果が出るレポートまとめ表

項目内容ポイント
目的分析対象と狙いを明確にKPIを決める
視点ユーザー行動中心“どんな行動をしたか”に注目
構成結論→理由→アクションストーリーで伝える
見せ方少ないグラフで直感的に色と順序を統一
頻度月1回+四半期レビューチーム共有を習慣化

8. まとめ|“数字を語る人”になろう

GA4の数字を「結果」ではなく「物語」として伝えよう。

数字を出すだけの人ではなく、「なぜ」「どうするか」を導ける人が“データに強い人”です。

GA4のレポートは、あなたの思考力と提案力を磨く最高のツールになります。

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