「GA4のレポート、見方はわかるけど“どう使えばいいのか”わからない」
「上司に報告しても、“それで何がわかるの?”と聞かれてしまう…」
この記事では、そんな悩みを解消するために、“数字を見るだけで終わらせない”レポート設計の考え方と実践方法をわかりやすく解説します。
GA4のレポートは、「結果」ではなく「気づき」を生み出すことが目的。
「見る→理解→行動」までつなげられる構成が“効果が出るレポート”の鍵です。
目次
🧭 この記事でわかること
- GA4レポートの基本構造と活用ポイント
- 効果が出るレポート設計の3ステップ
- よくある悪いレポート例と改善例
- 成果につながるデータの読み方
1. 「レポートを見る」と「分析する」は違う
GA4を開いて数字を確認しても、「見ただけ」では何も変わりません。
レベル | 状態 | 説明 |
---|---|---|
🔰 確認レベル | 数字を眺めて終わり | 「ユーザー数が増えたな」 |
⚙️ 分析レベル | 数字の背景を理解 | 「なぜ増えた?どこから来た?」 |
🚀 改善レベル | 数字から行動を決める | 「次は広告をこの層に出そう」 |
💡GA4レポートのゴールは「行動を決める」こと。
つまり、“レポート=意思決定ツール”と捉えることが大切です。
2. GA4で見るべき3大レポートカテゴリ
① 集客(Acquisition)
どこからユーザーが来たのか。
- トラフィック獲得レポート
- 自然検索/SNS/広告別の比較
- CVにつながるチャネルの特定
💡「アクセス数」ではなく「質の高い流入」を見ることが重要。
② エンゲージメント(Engagement)
ユーザーがどのページで、どのように行動したか。
- ページとスクリーン
- イベント発生状況(クリック・動画再生など)
- エンゲージメント率/平均滞在時間
💡「どのページで滞在し、どこで離脱したか」を把握すると、UX改善につながるデータが見えてきます。
③ コンバージョン(Conversion)
成果を生むページ・行動はどこか。
- CV数・CVR
- コンバージョンイベントごとの推移
- イベントごとのユーザー経路分析
💡「CVが多いページ」よりも、「CVまでの経路」に注目するのがポイント。
3. 効果が出るレポート設計の3ステップ
🟢 STEP1:目的を決める
「このレポートで、何を判断したいのか?」
- 例1:SEO流入が増えている理由を知りたい
- 例2:LPの離脱率を改善したい
- 例3:広告の費用対効果を確認したい
💡目的を決めずにレポートを作ると、「データはあるけど、結論が出ない」状態になります。
🟡 STEP2:KPIとKGIを整理する
目的 | KPI(中間目標) | KGI(最終成果) |
---|---|---|
問い合わせを増やす | フォーム遷移率 | フォーム送信数 |
EC売上を伸ばす | カート追加率 | 購入金額 |
認知拡大 | ページ閲覧数 | 新規ユーザー数 |
💡KPIは「途中経過」、KGIは「ゴール」。
GA4ではKPIをイベント化して可視化します。
🔵 STEP3:ストーリー構成で見せる
“数字を並べる”のではなく、“ストーリーで伝える”
構成 | 内容 | 例 |
---|---|---|
① 現状 | 先月との比較・トレンド | 「自然検索が+20%」 |
② 理由 | どのページ/チャネルが伸びたか | 「SEO流入の7割が記事X」 |
③ 対応 | 次のアクション | 「関連記事を3本追加予定」 |
💡データ→原因→行動の流れを意識すると、レポートが“報告”から“提案”に変わります。
4. 悪いレポート vs 良いレポート
項目 | 悪い例 | 良い例 |
---|---|---|
目的 | 何となく毎月作っている | 「LP改善のための分析」 |
数字 | GA4の全データを並べる | KPI・KGIに絞る |
グラフ | 量が多くて伝わらない | ポイントに絞って視覚化 |
コメント | なし | 「次の施策」に触れる |
💡“報告書”ではなく“改善提案書”として設計する意識を持ちましょう。
5. 効果を高めるレポート構成テンプレート
セクション | 内容 | ツール例 |
---|---|---|
① サマリー(結論) | 今月の成果・課題を一言で | Looker Studio or スライド |
② KPIトレンド | CV・流入数・滞在率などの推移 | GA4ダッシュボード |
③ ページ分析 | 上位ページ・離脱率・エンゲージメント | ページとスクリーンレポート |
④ 流入経路分析 | チャネル別の効果 | トラフィック獲得レポート |
⑤ 改善施策メモ | 次月の仮説とアクション | スプレッドシート共有 |
💡レポートの“最後”に「次の行動」を書くことで、データが“終わり”ではなく“始まり”になります。
6. データの“見せ方”で印象が変わる
🔹 見せ方のコツ
- グラフは1スライド1メッセージ
- 増減は「%」よりも「実数+理由」で伝える
- 色は「青=安定」「赤=課題」で統一
🔹 悪い例
「ユーザー数が3,000人に増えました。」
🔹 良い例
「ユーザー数が3,000人(+25%)。そのうち自然検索が+40%増。SEO改善が奏功。」
💡「なぜ増えたか」を一言添えるだけで、“数字が語る”レポートになります。
7. GA4で効果が出るレポートまとめ表
項目 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
目的 | 分析対象と狙いを明確に | KPIを決める |
視点 | ユーザー行動中心 | “どんな行動をしたか”に注目 |
構成 | 結論→理由→アクション | ストーリーで伝える |
見せ方 | 少ないグラフで直感的に | 色と順序を統一 |
頻度 | 月1回+四半期レビュー | チーム共有を習慣化 |
8. まとめ|“数字を語る人”になろう
GA4の数字を「結果」ではなく「物語」として伝えよう。
数字を出すだけの人ではなく、「なぜ」「どうするか」を導ける人が“データに強い人”です。
GA4のレポートは、あなたの思考力と提案力を磨く最高のツールになります。