「ページは見られてるけど、本当に読まれてるの?」
「動画を設置したけど、どこまで再生されてるか知りたい」
そんな方に向けて、この記事ではGoogleタグマネージャー(GTM)を使ったスクロール率と動画再生のトラッキング方法をわかりやすく解説します。
GA4と連携することで、“ユーザーの滞在の質”を数値化できるようになります。
デザイン改善・コンテンツ分析・SEO施策に欠かせない設定です。
目次
🧭 この記事でわかること
- スクロール率をGA4で計測する方法
- YouTube動画の再生・完了を計測する方法
- 取得したデータをGA4で確認する手順
- 分析・改善に活かすポイント
1. なぜスクロール・動画トラッキングが重要なのか?
ページビューや滞在時間だけでは、「どのくらい読まれたか」「どこで離脱したか」が分かりません。
そこで役立つのが、
✅ スクロール率(どこまで読まれたか)
✅ 動画の再生・視聴完了率(どこまで見られたか)
これをGTMで自動トラッキングすることで、
「記事の最後まで読まれたのか」
「動画が途中で離脱されていないか」
を具体的に把握できます。
2. スクロール率を計測する設定(GTM)
🪄 手順①:スクロールトリガーを作成
- GTM管理画面 → 「トリガー」 → 「新規」
- タイプ:スクロール距離 を選択
- 垂直方向のスクロール距離 にチェック
- 25%、50%、75%、100% に設定
- トリガーを「All Pages(全ページ)」に適用
- 保存
💡 この設定で、ページの25%、50%、75%、100%に達したタイミングを検出できます。
🪄 手順②:タグを作成
- GTM → 「タグ」 → 「新規」
- タグタイプ:GA4イベント
- イベント名:
scroll_depth
- 測定ID:既存のGA4設定タグを選択
- トリガー:作成したスクロールトリガー
- 保存
🪄 手順③:プレビューで確認
- 「プレビュー」をクリック → サイトURLを入力
- ページを下にスクロール
- タグが正しく発火しているか確認
💡 GA4の「リアルタイム」画面で scroll_depth
イベントが出ていれば成功!
3. YouTube動画再生をトラッキングする設定
GTMはYouTube動画の再生・一時停止・完了などを自動で検出できます。
🪄 手順①:トリガーを作成
- 「トリガー」 → 「新規」
- タイプ:YouTube動画 を選択
- イベント:再生、停止、完了にチェック
- トリガーを「すべての動画」に適用
- 保存
🪄 手順②:タグを作成
- 「タグ」 → 「新規」
- タグタイプ:GA4イベント
- イベント名:
video_event
- パラメータを追加(任意)
- 動画タイトル:{{Video Title}}
- 動画進行率:{{Video Percent}}
- 測定ID:GA4設定タグを選択
- トリガー:作成したYouTubeトリガー
💡これで「どの動画が」「どこまで再生されたか」が記録されます。
🪄 手順③:プレビューで確認
- プレビューを開いてページ内の動画を再生
- 「Tags Fired」欄に
video_event
が表示されていればOK
4. GA4でデータを確認する
📊 確認方法
- メニュー:「レポート」→「エンゲージメント」→「イベント」
- イベント一覧に
scroll_depth
とvideo_event
が追加されているか確認
📈 詳細を見たい場合
- 「探索」→「自由形式」
- ディメンション:イベント名、ページタイトル
- 指標:イベント数、ユーザー数
👉 ページごとの読了率・動画完了率が比較できます。
5. 分析で分かること
データ | 意味 | 改善のヒント |
---|---|---|
scroll_depth | ページをどこまで読んだか | スクロール率50%以下のページは構成を見直す |
video_event | 動画の再生・完了率 | 離脱が多い箇所に字幕や要約を追加 |
エンゲージメント率 | ページ内でのアクション率 | 滞在の質を可視化できる |
スクロールと動画のデータを組み合わせることで、「興味を持たれるコンテンツ」と「離脱されるポイント」が明確になります。
6. トラブル時のチェックポイント
症状 | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
スクロールが計測されない | ページが短い・設定誤り | 長めのページで確認、%を調整 |
動画が反応しない | iframe埋め込みでAPI非対応 | YouTube埋め込みコードを確認 |
GA4に反映されない | 測定ID不一致・未公開 | GTMタグ公開を確認 |
7. 活用アイデア
活用例 | 内容 |
---|---|
ブログの読了率分析 | 記事のスクロール完了率を比較して人気記事を特定 |
LPの改善 | 50%で離脱が多い場合はCTA位置を再検討 |
動画コンテンツ改善 | 再生完了率が低い箇所の導入を短縮・要約追加 |
SEO改善の参考 | 高スクロールページを内部リンクの中心に配置 |
💬 スクロール率=コンテンツの“熱量”を測る最強指標です。
8. まとめ|滞在の質を“数値化”しよう
計測内容 | イベント名 | 効果 |
---|---|---|
ページ読了率 | scroll_depth | 記事・LPの改善に役立つ |
動画視聴率 | video_event | コンテンツ評価・UX改善 |
両方を合わせる | scroll + video | ユーザーの関心分析が可能 |
「どこまで見られたか」を数値で把握することで、デザイン・構成・動画内容を“定量的に改善”できます。
